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【音楽×珈琲 鑑賞録】9月2日~ダリウス・ミヨー バレエ音楽『世界の創造』

音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【121日】
9月2日のテーマは、【音楽史】

とりあげる作品は、
ダリウス・ミヨー /
バレエ音楽『世界の創造』

です。

ダリウス・ミヨー
Darius Milhaud
1892年9月4日 - 1974年6月22日
フランス生まれの作曲家、フランス6人組の1人

今回とりあげる『世界の創造』(La Création du monde) は、ダリウス・ミヨーが1923年に作曲したバレエ音楽 (作品81a)です。

1922年にミヨーが訪米しハーレムに訪れた際、道端で演奏していたジャズが衝撃的で感化され作曲したという逸話があります。
パリで活動していたバレエ団、バレエ・スエドワ(スウェーデン・バレエ団)からバレエ音楽の新作を依嘱されたのがこの「世界の創造」で、アフリカ人からみた天地創造を主題とした、演奏時間約20分、全1幕のバレエ作品という内容です。

バレエ音楽ということで、何度かバレエを主体として上演されるも評判はイマイチ。
現代の振り付けありの映像を見ましたが、しなやかな身体性を表現した演者のレベルの高さは見て取れたのでつまらなくはない。けれど前衛的。どこに注目していいか定まらず、印象が散漫になってしまいました。

音楽面でのミヨーのチャレンジも前衛的だったため、やはり傾聴できる純粋管弦楽での上演の方が集中できます。
スウィングする吹奏楽器があるため、しっかりジャズ由来の音楽性を窺わせてくれます。
とはいえ、全般ゆったりしてアンニュイな雰囲気が通奏されていて、なんともフランス音楽といった風合いも感じさせます。
音楽的には、ジャズとフランス音楽の融合といった様相。
ガーシュインより先んじてジャズとクラシックの融合を実現している先見の明があり、それでいて自国文化を昇華したという、まさに復調的な音楽制作に成功しているように聴き受けました。

いま、秋の気配がするなか、雨の景色を目にこの音楽を聴いていると、物憂げで物悲しい、なんともセンチメンタルな気分になってしまいます。
複合した音楽のチカラは、人の心に訴え響くものがあるということですね。

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