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【音楽×珈琲 鑑賞録】3月2日~ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン 『交響曲』第3番「英雄」 × TORTOISE COFFEE イエメン モカ・マタリ

音楽観を鍛える鑑賞録。
それにあう珈琲をそえて。
3月2日のテーマは【周辺】

とりあげる作品は、
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン /
『交響曲』第3番「英雄」
 × 
TORTOISE COFFEE /
イエメン モカ・マタリ 中煎り

です。

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの名言
“Music is the one incorporeal entrance into the higher world of knowledge which comprehends mankind but which mankind cannot comprehend.”
「人類を理解していて、人類が理解できないこと。音楽は実体のない、より高い知識への入り口です。」

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
独: Ludwig van Beethoven
1770年12月16日頃 - 1827年3月26日
ドイツの作曲家、ピアニスト。

1月17日以来のベートーヴェンです。
今回は、
交響曲第3番 変ホ長調 作品55『英雄』
原題:伊: Sinfonia eroica, composta per festeggiare il sovvenire d'un grand'uomo
(英雄交響曲、ある偉大なる人の思い出に捧ぐ)、
ベートーヴェンが1804年に完成させた交響曲。

ベートーヴェン本人にして、1番出来がいいと言わしめた楽曲です。
この交響曲に関する言及もめちゃくちゃあるので、学びをとりあげるにしても枚挙にいとまがありません。なので、音楽的な見地から少し紐解いてみます。

この交響曲は、
器楽音楽による表現の可能性を大きく広げた画期的大作とあります。

まずは曲が長い
第九以外は40分未満の演奏時間に対して「英雄」は40分は越えます。
音符ひとつひとつに情熱を注ぎこんだベートーヴェン。
書きこんだ分だけ熱量と思い入れは相関するでしょう。

2つめに、葬送行進曲(第二楽章)とスケルツォ(第三楽章)の融合
現代のイメージだとポップスからロックに曲間移行するような感覚かもしれません。
セオリーを重視していた時代において、ジャンルを融合させ超克したのはまさに革新的です。

3つめは、「英雄」を彷彿とさせる「自由に歌うホルン」
"第三楽章のトリオ(中間部)ではホルン三重奏が見られ、特に第2ホルンはストップ奏法を多用する、当時としては難度の高いものとなっているが、緊張感のある音となるので、トリオのコーダでは大きな効果を得られる。ベートーヴェンが当時のホルンの特色を熟知していたことを示す一例"とあります。
作曲家たるもの、楽器の特性はもちろん、可能性を見出す姿勢が窺い知れます。

この3点だけで総括しても、
「1音1音に魂をこめよ。常識を覆せ。可能性を見出せ。」
というキーワードを掬いあげることができました。

楽聖の姿勢に学び、行動を起こす礎にするところです。

音楽にあう珈琲を考えてみる

このベートーヴェンの音楽を受けて、淹れる珈琲も思考してみましょう。
ご存知かと思いますが、
「60粒のコーヒー豆を数えて淹れていたベートヴェン」
という逸話があるように、コーヒーエピソードにも枚挙にいとまがありません。
とはいえ、時代も時代なので定かではないことも多い。
「英雄」のエピソードにしても、憤ったのかそうでないのか定かじゃないですからね。想像を膨らませて語ることもやぶさかではないでしょう。

ベートーヴェンが好んで飲んでいたと思わしきは、
時代の流通経路的に、イエメンやエチオピア、キリマンジャロ付近のコーヒー豆で、それらをブレンドしたものではないかと。
また、ガラス製器具で淹れていたというエピソードから袋に入れて煮出しコーヒーで飲んでいたんじゃないかな〜と思うわけです。

ということで、ベートーヴェンが好んでいたかもしれない、
香り高いモカ・マタリをいただいてみましょう。

今回淹れた珈琲は、
長野県上田市にある、TORTOISE COFFEE
イエメン モカ・マタリ 中煎りのコーヒーです。

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モカ・マタリといえば「コーヒールンバ」ですね。
あのクセになってアタマに残るメロディはまさしくモカ・マタリにふさわしい曲です。
この「モカ」とは、「モカ港」という流通のハブにある場所が由来です。
そして「モカ・マタリ」は、イエメンの中部山岳地帯にあり、昔ながらの農法が受け継がれているそうです。
世界最古のコーヒーブランドであり、おそらくベートーヴェンが飲んでいたであろうコーヒー豆と同じものを現在もいただけます。
香りが良いので、浅煎り〜中煎りくらいで流通しています。

ただ、やっぱり栽培する担い手も少なくなってきているようで、希少かつ贅沢なものになってきました。
こうした悠久の歴史をもつものが手に入らなくなってきています。
ロマンに浸りながら愉しむ文化を失わないためにも、
複雑な世界を少しでも理解するように努め、
ほんとうに必要なものを遺せる世界にしていきましょう。

伺った珈琲店の情報です。
TORTOISE COFFEE BEANS BY UNITE
長野県上田市中央2-5-4 斎藤ビル1階
平 日: 12:00〜19:00
土日祝: 10:00〜19:00
定休日: 第2.第4水曜日+木曜日

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