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【音楽×珈琲 鑑賞録】10月14日~カール・チェルニー 『練習曲集』「30番」
音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【79日】
10月14日のテーマは、【音楽史】
とりあげる作品は、
カール・チェルニー /
『練習曲集』「30番」
です。
カール・ツェルニー
Carl Czerny
1791年2月21日 - 1857年7月15日
オーストリアのピアノ教師、ピアニスト、作曲家
今回とりあげるツェルニーの「練習曲集 30番 Op.849」 (30 études de mécanisme Op.849)は、1856年に出版されたエチュードで、正式名称は「30曲の技法練習曲」。
ピアノの名手であり、10歳のときにベートーヴェンのもとを訪ねて、「ピアノソナタ 第8番 悲愴」を披露したというエピソードも残っています。
他にも「6つのソナチネ」で有名なクレメンティ、ピアノ曲で有名なフンメルと錚々たるメンツから師事を受け、ツェルニー自身はリストやレシェティツキを指導するというクラシック音楽界の偉人をつなぐ存在でした。
ツェルニーが作曲した作品は番号では861、未出版のものを含めれば1,000曲以上の作品を残したという多作家でした。
なかでも、今回とりあげているような実用的ピアノ練習曲を数多く残し、現代においてもピアノ練習曲といえばツェルニーの作品群という状態です。
個人的なアートを残したというよりも純粋に音楽の発展を促した人といえましょう。
初期Op.1-199は純器楽曲の追求、
中期Op.200-599からはクラヴィア練習曲、作曲法教程作家としてのメカニックの追求、
後期Op.600-861からは宗教曲作家としての追求が嗜好に加味されていった。
という記述があるくらいで、ツェルニー自身の音楽性に変遷はありながらも、往々にして技術力向上を目指した実用的な音楽に特化しています。
理想に溢れたアートも、技術がなくては届かないものもあるわけで、こうした基礎学習を導く存在は必要不可欠です。
ベートーヴェンやモーツァルトといった華やかなアーティストも素晴らしい存在ですが、ツェルニーのような音楽的技術を高め、演奏をより楽しめるようにしてくれた存在があったからこそ、今日のクラシック音楽の価値がある。
視点を変えた音楽の楽しみ方を教えてもらったような気がします。
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