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MasterClass Lesson: Day 30 "Massimo Bottura's Adapting and Altering"

序盤では、マッシモ・ボットゥーラがもっとも重要視していること、
"パレット"についての解説に深い示唆がありました。

He urges you to follow your palate, trust your instincts, and, as always, taste.
「あなたの"パレット"に従いなさい。本能を信頼しなさい。そして、つねに味見をしなさい。」

ここで語られているパレットとは、「味覚の引きだし」みたいなものです。
経験や知識のないところでは新しい組み合わせを試そうという発想も浮かびません。そこで、まずは伝統的でオーソドックスな料理を手がけるなかで、可能性を模索することから始めてみる。
最初のレシピでは、"pesto(ハーブ、ニンニク、オリーブオイル、パルミジャーノ・レジャーノをすりつぶしてペースト状にしたもの)"をマッシモ流にアレンジしていく行程を解説していたわけですが、ほんとによく味見をしています。
たぶん、実際でもやいやい言いながらちょいちょい味見をしているのだと窺えます。
「味見くらいふつうでしょ」と思うかもしれませんが、長年経験してくると、出来上がっていく過程で味を勝手に想像してしまうし、もったいない感じがして、完成間際のところで味見をすることがほとんどになってしまっていることに気づかされました。

マッシモが語る通り、季節によっても調理する温度によっても、食材の状態によっても、あらゆる環境要因で経過は変わります。マッシモは、変化させるための点の置き方がとても細かいことが分かります。
ややもすると、神経質でめんどうな人になりかねませんが、調理の行程のなかで、点を置く間隔が短ければ、そこからの分岐がイノベーションを生む可能性がある。
マッシモの料理を絵に例えるなら、線画というより点画なんだということが伺い知れました。

マッシモが持つパレットは非常に色彩豊かで、その絵の具も想像だにしない顔料を使っていたりする。だから多くの人が、その日、時々の味に期待を寄せて店に行き、見事に応えているのでしょう。
ただ、これだけでは世界の3つ星レストランに成れるとは思えません。
もっと深い秘密が彼らの手がける食文化にはあるはずです。

明日以降もしっかり学びを深め秘密に迫りたいと思います。

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