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【音楽×珈琲 鑑賞録】8月5日~ミハイル・グリンカ オペラ『ルスランとリュドミラ』

音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【149日】
8月5日のテーマは、【音楽史】

とりあげる作品は、
ミハイル・グリンカ /
オペラ『ルスランとリュドミラ』

です。

ミハイル・イヴァーノヴィチ・グリンカ
Михаил Иванович Глинка
Mikhail Ivanovich Glinka
1804年6月1日 - 1857年2月15日
国外で広い名声を勝ち得た最初のロシア人作曲家。「近代ロシア音楽の父」

今回とりあげるオペラ『ルスランとリュドミラ』(Руслан и Людмила / Russlan And Ludmilla)は、グリンカが手がけた最初のオペラ『皇帝に捧げた命』(Жизнь за царя / Zhizn za tsarya)に次ぐ2作目の代表的作品です。

1834年〜1842年にかけて作曲された作品で、民謡、不協和音、半音階、それに全音音階など奇想天外な音響を活用し、のちのロシア音楽家に多大な影響を与えたといいます。
特に序曲。5分ほどの演奏時間ですが、疾走感あふれ、メロディに富んでいて素晴らしい作品です。技巧的に難解な作品ということもあり、演奏当初の頃は不出来な上演が多く、第一作目ほどの評価は得られなかったそうです。
それから時代は下り、現在は序曲のみ多くの交響楽団のレパートリーとなり、湧き立つような見事な演奏を残しています。

19世紀のロシアという過酷な大地に生まれたグリンカですが、裕福な家庭に生まれ音楽教育にも恵まれ、ヨーロッパ各地の音楽を存分に吸収することができた幸運な人物であったことは確かです。
ですが、環境がよくてもそれを作品に転化し、聴衆が受け入れるかどうかは別の話です。
音楽を学び、センスを磨き、自らのルーツを捉え、考え、心血注いだ行動の先に描いた作品がたまたま喜ばれた。グリンカの功績は、貧富の差を問わずロシア音楽家に勇気を与えたことであり、まさしく偉業といえるでしょう。

わたしたち生命体すべては環境の申し子ですが、この環境をチョイスしているのはわたしたち個人個人です。
事実を前に、幸不幸どちらに導かれるかは分かりませんが、コスパやハックに右往左往せず、愚直に「最善を尽くす」発想をする。
スタートラインの違いや天の配剤に喜怒哀楽を示しても未来は変わりません。
在りたい未来があるのなら、コントローラブルな今だけに集中しましょう。

グリンカの音楽や作品とはあまり関係のない話になってしまいましたが、
調べ進めるうちに、自らの境遇による思考から派生してしまいました。
どこに着陸するか分からないけれど、この人生を歩む上で改めて立ち返りたい精神を考える音響でした。

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