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【音楽×珈琲 鑑賞録】4月30日~アミルカレ・ポンキエッリ オペラ『ラ・ジョコンダ』

音楽観を鍛える鑑賞録。
4月30日のテーマは、【主題】

とりあげる作品は、
アミルカレ・ポンキエッリ /
オペラ『ラ・ジョコンダ』

です。

アミルカレ・ポンキエッリ
Amilcare Ponchielli
1834年8月31日 - 1886年1月17日
イタリアのオペラ作曲家。

『ラ・ジョコンダ』(イタリア語: La Gioconda)は、全4幕から構成されるオペラです。
第3幕第2場でのバレエ音楽「時の踊り」(Danza dell' Ore)がコンサートでも単独で演奏される有名な楽曲で、聞いた瞬間、「ロイヤルブレッドやん!」と想起させてくれました。CMってやっぱすごいね。

いや、すごいのはこのオペラ。
全幕2時間45分の演目ですが、ストーリーがなかなかエグい。
「レ・ミゼラブル」で有名なヴィクトル・ユーゴーの『パドヴァの僭主アンジェロ』(Angelo, tyran de padoue)が原作だそうですが、
端的に、泥沼の恋愛三角関係に母も巻き込む昼ドラ展開のバッドエンドストーリー。
「ええんか・・・コレ。」と思うような内容で、
作曲家のポンキエッリは台本の書き直しを何度も要求したようです。

当時からして斬新で人間の暗部にも着目するような内容ですが、
悲喜交々、明暗のはっきりした展開に惹かれるのは人間の業でもありましょう。
そこにあてがわれた音楽で記憶に刻まれる効果もあり、相乗効果的に作品は人気を博したのではないでしょうか。

私自身、このオペラ自体を知らなかったし、
「時の踊り」がさまざまな時代でカバーされていることも知りませんでした。
あの跳ねるようなメロディが物語を彩っていることは確かです。
記憶と経験に触れ、人それぞれ特別なイメージを喚起させる音楽。
古今東西を問わず、BGMともならない稀有なメロディだと感嘆しました。

改めて源流から学び受けて、時を経ても一向に瑞々しさを失わない音楽があることが窺い知れました。
まさしく「時の踊り」というタイトルそのもので、
「変わらないために変わり続けている様」が在ります。
クラシック音楽の真髄がこのパッセージに詰まっていますね。

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