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【音楽×珈琲 鑑賞録】9月24日~マヌエル・デ・ファリャ バレエ音楽『恋は魔術師』

音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【99日】
9月24日のテーマは、【主題】

とりあげる作品は、
マヌエル・デ・ファリャ /
バレエ音楽『恋は魔術師』

です。

マヌエル・デ・ファリャ・イ・マテウ
Manuel de Falla y Matheu
1876年11月23日 カディス - 1946年11月14日 アルゼンチン・コルドバ
スペインの作曲家

今回とりあげるファリャの「恋は魔術師」(El amor brujo)は、1914年から1915年にかけて室内オーケストラ(8重奏)のために作曲され、1915年4月15日にマドリッドのテアトロ・デ・ララにおいて初演されました。
ところが、評判があまり芳しくなかったため、1915年から1916年にかけて改訂し、演奏会用に組曲を制作。これがヒットします。
これを機にバレエ音楽にすべく最終改訂。1925年にパリのトリアノン・リリック劇場でバレエ音楽として初演され、ついにファリャの代表曲のひとつになりました。

この作品のなかでも有名なのが、「火祭りの踊り」(Danza ritual del fuego)で、スペインのアンダルシア、ジプシーたちの踊りと歌を彷彿させる楽曲です。
どこか聴いたことのある旋律で、ゲーム音楽で聴いたことあるような?と思しきミステリアスで情熱的な世界観が確立され、気分が沸き立つ特性をもった作品です。

不思議と炎をバックに情熱的に踊る踊り子の様が想像に浮かぶ象徴的な曲。
作品として成功するまで改訂をやめないという意気込みもさることながら、音楽ひとつで世界観を領域展開するというのは、なんの魔法なのかと慄かされます。
音楽が鳴っているあいだは、まったく違う大地の景色が広がる。
そうした作品は歴史をみれば少なくありません。
それが奇跡なのか、狙ってやった天才の所業なのか。はたまた、練りに練った結果の賜物なのか。
少なくとも、やってみた先に生まれでるものを世界に委ねられるよう、創作に励むことを止めていてはいけませんね。

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