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【音楽×珈琲 鑑賞録】7月15日~ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲

音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【170日】
7月15日のテーマは、【音楽史】

とりあげる作品は、
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン /
ヴァイオリン協奏曲

です。

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
Ludwig van Beethoven
1770年12月16日頃 - 1827年3月26日
ドイツの作曲家、ピアニスト

今回とりあげるヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61(Violin Concerto in D major, Op. 61)は、1806年に作曲したベートーヴェン中期の傑作と呼ばれています。
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲が完成形として残っているのは本作しかなく、それでもメンデルスゾーンの作品64、ブラームスの作品77とともに「三大ヴァイオリン協奏曲」と称されています。

この協奏曲は3楽章から構成されていて、この第1楽章にはカデンツァを遺していないことが特筆されています。
カデンツァは、ソリストなどがオーケストラの伴奏を伴わずに自由に即興的な演奏・歌唱をする部分を指しますが、ベートーヴェンはほとんどの楽曲にカデンツァという体裁でありながら、自らの意向を反映した記譜をしており、演奏者の即興を許していないそうです。
ところが、このヴァイオリン協奏曲はベートーヴェンのカデンツァを遺さず、演奏者の意向に委ねています。
これはベートーヴェンがヴァイオリンはあまり弾きこなすことができなかったためと言われていますが、この許された余白がさまざまな演奏者のカデンツァをもたらすことになりました。
そこで華ひらいた演奏家には、ヨーゼフ・ヨアヒム、レオポルト・アウアー、フリッツ・クライスラーなど多数の演奏家が名を遺しています。

クラシック音楽は曲の良し悪しでももちろん判別されますが、それよりも誰が作曲したかということが重要です。
ただ、その名声を得るためには運だけでは到底至らなかったことも確かです。
鶏と卵どちらが先かというような話かもしれませんが、意欲のある作曲家が素晴らしい音楽を手がけて名声を得た構図は変わりません。
このヴァイオリン協奏曲においてもわずかな小節分で演奏者に意匠を凝らせる部分があったわけで、アーティストのなかにはここに注力したからこそ運を引き寄せ、名を残した演奏家がいました。

わたしたちは部分的にもチャンスがあるならば、常日頃挑むかどうかという意思決定を問われています。
いまこの時分でも、常に選び取って人生を歩んでいるということを努努忘れないように行動していきたいものです。

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