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【音楽×珈琲 鑑賞録】3月9日~ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル 『王宮の花火の音楽』 × 銀座 トリコロール 本店 アンティークブレンドコーヒー

音楽観を鍛える鑑賞録。
それにあう珈琲をそえて。
3月9日のテーマは【周辺】

とりあげる作品は、
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル /
『王宮の花火の音楽』
×
銀座 トリコロール 本店 /
アンティークブレンドコーヒー

ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルの名言
"I should be sorry if I only entertained them. I wish to make them better."
「彼らを楽しませただけであったら申し訳ない。私は彼らをより良くしたいのです。」  

ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル
Georg Friedrich Händel
1685年2月23日 - 1759年4月14日
ドイツ出身。イタリアで成功した後にイギリスで長年活躍し、イギリスに帰化した作曲家、オルガニスト。

3月にしてようやくヘンデル。
クラシック音楽家のなかでも英傑であり、
バッハと同年代っていうかタメ歳というだけに、
「クラシックといえば!」で出てくる作曲家ですね。

とはいえですよ、わたくしはほとんどお名前しか存じておらぬ、
にわか音楽愛好家なので、この機会にしっかり学んでいきます。

今回とりあげる楽曲は、
『王宮の花火の音楽』(英語: Music for the Royal Fireworks)HWV351。
HWVってなに?と思って調べたら、"Händel-Werke-Verzeichnis"、つまり、「ヘンデル作品主題目録番号」で、全曲に番号があてられ、合計して612あるといいます。なんかもう桁が違う作品数ですね。

この『王宮の花火の音楽』の逸話は、
1748年にオーストリア継承戦争終結のために開かれた祝典のための曲。
祝典自体はロンドンのグリーン・パークで1749年4月に催されました。
祝典は盛大でしたが、肝心の花火がうまく点火せず、さらにパビリオンのひとつが焼け落ちるなどの失敗に終わったそう。悲しい。
それでも当時の盛況は凄まじいもので、この祭典の公開リハーサルには12000人の人が集まったというのだから、その規模の大きさ、その音楽を担うヘンデルの人気の凄まじさを思い知らされます。

さすがヘンデルということもあり、調べれば調べるほど逸話が湧いてきてしまうので、今回は個人的な感想で締めます。
序曲(Ouverture, ニ長調)、祝祭感に溢れた軽やかで光を感じさせます。
ブレー(Bourée, ニ短調)、気品を感じさせながらノリがよい小曲。
平和(La paix, ニ長調)、優雅な調べにジョージ2世もにっこり。してそう。
歓喜(La réjouissance, ニ長調)、湧き立つように弾むメロディに心躍るよう。
メヌエットI(Minuet, ニ短調) - メヌエットII(ニ長調)、締めにふさわしく大団円を思わせる。

というかんじに、オーダーに準じた曲を期待以上に作り上げる技量の高さ。
まさに上記の名言を語らせても、ぐぅの音もでない。
名作曲家の格の違いを知らしめる作品でした。

音楽にあう珈琲を考えてみる

このヘンデルの音楽を受けて、淹れる珈琲も思考してみましょう。
だいぶ前の話になります。
珈琲の魅力を模索して東京におもむいた際に訪れたお店を思い出しました。

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『銀座トリコロール 本店』
東京銀座の5丁目にある、老舗珈琲店。
超絶有名なお店に早朝8時に訪れたことを覚えています。
そこで注文したのが、『アンティークブレンドコーヒー』

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ネルドリップで淹れる古式ゆかしい銀座の珈琲。
たいへん豊かなコクのあるコーヒーでしたが、現代におけるサードウェーブ系コーヒーのような衝撃はなく、まったりと落ち着くものでした。
それよりも思い出深いのは、訪れるお客さんの多様さ。
ボルサリーノのハット、ボルドーワインカラーのマフラーをして、格調高いスーツを着た紳士が来店。馴染み客の風合いでスッと着席し、日経新聞を読むという姿にグッとくる。
またあるお客さんは、全身ルイ・ヴィトンといった格好で、どでかいキャリーケースもルイ・ヴィトン。なんとなく作家さんか演出家さんっぽい気がする人が来たり。
かと思えば、銀座らしくない普段着っぽいラフな格好をして来店する地元のひとも。
もちろん、観光客も多く訪れていました。

どんな来客でも寛容、それでいて格調を失わない雰囲気のある珈琲店ですごいな、と思った記憶があります。
個人的には圧倒的に恰好良かった紳士の姿に今でも憧れを抱いています。
あんな風情のある紳士になるべく、ヘンデルのような偉大な作曲家の作品も教養の一環としてしっかり学んでいこうと思う今日この頃です。

伺ったお店の情報です。
銀座 トリコロール 本店
東京都中央区銀座5丁目9−17
営業: 8:00~20:30(土日:21:30)
定休: 無

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