【音楽×珈琲 鑑賞録】10月29日~リヒャルト・ワーグナー オペラ『さまよえるオランダ人』
音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【64日】
10月29日のテーマは、【主題】
とりあげる作品は、
リヒャルト・ワーグナー /
オペラ『さまよえるオランダ人』
です。
ヴィルヘルム・リヒャルト・ワーグナー
Wilhelm Richard Wagner
1813年5月22日 - 1883年2月13日
歌劇の作で知られる19世紀ドイツの作曲家、指揮者、思想家
オペラ『さまよえるオランダ人』(Der fliegende Holländer)は、フライング・ダッチマンという幽霊船でありオランダ人船長の伝説をもとにした、ドイツの詩人ハインリヒ・ハイネの『フォン・シュナーベレヴォプスキー氏の回想記』(Aus den Memoiren des Herren von Schnabelewopski)に着想を得て作曲。1842年に完成し、1843年に初演された作品です。
オペラの演奏時間は約2時間10分。
2種類の原稿があり、1841年に出版された第1稿は荒々しいオーケストレーションで救済のない形、1880年に出版された第2稿では幾分穏やかなオーケストレーションで救済のある形に仕上げてあるそうです。
その違いは主に序曲の最後と終幕のフィナーレのオーケストレーションで、
今日では1幕もので演奏されていることがほとんどのようです。
ワーグナー作品のなかでもっとも短編の長編オペラ。
ストイックなワーグナーですが、この作品は比較的演奏時間が常識の範囲内なので、演奏家も聴衆も多少は軽やかに楽しむことができるかもしれません。
とはいえ、内容は救いのない悲劇ものなので、観覧後はあまり晴れ晴れとした気分にはなれないものです。
このオランダ人の幽霊船長「フライング・ダッチマン」は「パイレーツ・オブ・カリビアン」のモデルとしても有名ですが、ワーグナーはこの船長を自分自身とに投影して描いたのではないか、という意見もあります。
呪いをかけられた自分を救ってくれる女性を探し求めたとするには、少々都合のよすぎる遍歴を持っているワーグナーですが、他者の恋愛観にとやかくいうのは無粋というもの。
いまは全身全霊を捧げてきたワーグナーの音楽に自分なりの学びを見出して、価値に転化できるように努めていきたいものです。
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