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【音楽×珈琲 鑑賞録】8月18日~アントニオ・ヴィヴァルディ 合奏協奏曲『四季』

音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【136日】
8月18日のテーマは、【謎】

とりあげる作品は、
アントニオ・ヴィヴァルディ /
合奏協奏曲『四季』

です。

アントニオ・ルーチョ・ヴィヴァルディ
Antonio Lucio Vivaldi
1678年3月4日 - 1741年7月28日
ヴェネツィア出身のバロック音楽後期の作曲家、ヴァイオリニスト、音楽教師、カトリック教会司祭

今回とりあげる合奏協奏曲「四季」(イタリア語:Le quattro stagioni、英語:The Four Seasons)は、ヴァイオリン協奏曲集『和声と創意の試み』(Il cimento dell'armonia e dell'inventione) 作品8のうち、 第1から第4曲の「春」「夏」「秋」「冬」の総称です。

各曲それぞれ3つの楽章からなり、一つ一つにソネット(十四行詩)が付き、全編演奏で約40分の演奏時間となっています。

音楽の授業でもとりあげられるヴィヴァルディの「四季」ですが、この歳にして改めて聴きなおしてみると、すこぶるドラマチックな音像に感嘆とします。
「春」協奏曲第1番ホ長調 RV 269(La Primavera)
「夏」協奏曲第2番ト短調 RV 315(L'Estate)
「秋」協奏曲第3番ヘ長調 RV 293(L'Autunno)
「冬」協奏曲第4番ヘ短調 RV 297(L'Inverno)


長調で展開する「春」と「秋」はバロック音楽時代の典型という雅さがあり、緩急のつけかたとメロディの豊かさで聴者を惹きつけます。
短調で展開する「夏」と「冬」は、激情的な旋律が多く、ロックなアティチュードが窺える緊張感あるフレーズで、個人的にはこちらの作風の方が好みでした。

この作品を手がけていた1725年ころのヴィヴァルディは、オペラ作曲家として名を轟かせていましたし、これ以降も作品を手がけては出版にこぎつけ、順風満帆だったものの、わずか10年ほどで人気に翳りが現れ、パトロンを亡くし、オペラの興行も失敗、さらにオーストリアの継承戦争が勃発して音楽どころではなくなってしまったために、ヴィヴァルディは体調を崩して失意のまま亡くなってしまったといいます。

時代が求め、時代が捨てたというような格好にも思えますし、ヴィヴァルディの心中を察するに、辛かったでしょう。
他山の石とするにはおこがましいですが、あらゆるクリエイションは流行り廃りがあります。過去の遺産に固執せず、常に新陳代謝をすることが必要です。
そうした行動が難しいことは当然にしても失意に潰されず、たとえ今際の際においても、希望の灯が灯るようにして生きていきたいものです。

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