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【音楽×珈琲 鑑賞録】12月4日~レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ 南極交響曲

音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【28日】
12月4日のテーマは、【ジャンル】

とりあげる作品は、
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ /
南極交響曲

です。

レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ
Ralph Vaughan Williams OM
1872年10月12日-1958年8月26日
イギリスの作曲家

「南極交響曲」(Sinfonia antartica)は、7番目に作曲した交響曲です。
1947年、ロバート・スコットの南極探検隊を描いたイギリス映画『南極のスコット』のために作曲した作品で、1949年にプラハ映画祭で音楽賞を受賞しています。

その後の1949年ににこの映画音楽のほとんどを再構成して交響曲を創り出すことになり、1953年にマンチェスターでジョン・バルビローリ指揮ハレ管弦楽団により初演が行われました。

通常編成のオーケストラに加えて、チェレスタ、ピアノ、パイプオルガン、さまざまな種類の打楽器やウィンドマシーン、さらに女声合唱とソプラノ独唱のヴォカリーズも用いられているなど、よりコンセプチュアルに、極地における自然界の猛威と動物たち、氷山・氷原・オーロラ・ブリザードの描写、危機を目前に進退窮まった人間の無力感と自己犠牲といったものを表現したそうです。

演奏時間は約45分。全5楽章からなり、第3楽章と第4楽章は連結。
総譜(フルスコア)には、楽章の開始に先立ち、有名詩人の詩や旧約聖書の詩篇、南極探検家の日記などが引用句として掲載されています。

イギリスのクラシック音楽を牽引する代表的音楽家ですが、日本においての知名度は低く、私も今回の機会に初めて知りました。
近年のUKロック作品には馴染みがあっても、こうした郷土や教会音楽の風土を表現したクラシックな作風に縁がなかったのは、聴きたいものしか聴いてこなかったということだと思います。
世界の音楽をあまねく網羅することはできませんが、聴きたいものだけにとらわれず、各国の文化を知る機会を失わないようにしたいところです。
ひいては思いがけず興味を惹かれるものがあるかも知れませんね。

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