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【音楽×本 鑑賞録】"366日の西洋音楽" 1月22日~クロード・ドビュッシー 『夜想曲』

音楽観を鍛える鑑賞録。
1月22日 本日のテーマは、
【音楽史】
とりあげる作品は、
クロード・ドビュッシー /
『夜想曲』
です。

いますぐ聴きたくなる! 1日1ページでわかるクラシック音楽の魅力
1週間で7テーマ! 1年で「クラシック音楽」の虜になる!
本書には、いまでも多くの人に愛好されているクラシック音楽の名曲の数々を、より深く楽しむための知識や情報を盛り込みました。366の名曲を、「音楽史」「主題」「ジャンル」「逸話」「作曲・演奏」「周辺」「謎」といった7つの共通テーマで考察・解析・推理・解説します。

『夜想曲』、英語では『ノクターン(Nocturnes)』
ドビュッシーの夜想曲は、「雲(Nuages)」、「祭(Fêtes)」「シレーヌ(Gigues)」の3曲で構成されています。それぞれがコンセプトをもつ印象主義音楽の代表的管弦組曲です。
印象主義音楽というと、画家のモネやドガ、セザンヌなどの印象派の絵画を想起させますが、まさにそういった具体でない抽象的な美しさを表しているそうです。
とはいえ、ドビュッシーは「別にそんなつもりじゃねーし」的に否定しています。

たしかに、音楽を聴いてみると、とらえどころがないふわーっとした流れがありながらも、その全体像は印象派の絵画のような面影的美しさがあります。
ドビュッシー自身、この楽曲を「印象と特別な光をめぐって、この言葉(夜想曲)が呼び起こす全てが含まれています」と語っちゃってるくらいだから、思惑はどうあれ、そういった印象のある楽曲なのでしょう。

そして、少し気になったのは、上記のドビュッシーが初演でのプログラムにて述べた言葉、

"The title Nocturnes is to be interpreted here in a general and, more particularly, in a decorative sense. Therefore it is not meant to designate the usual form of the Nocturne, but rather all the various impressions and the special effects of light that the word suggests."
「この夜想曲というタイトルは、一般的というか、装飾的な意味で解釈しています。 つまり、いわゆる通常の夜想曲を意味するのではなくて、この言葉が示唆する印象と特殊な光のすべてを意味しています。」

わかるようなわからんような。
夜に想う、めくるめく事柄。
その印象、特別な光。
そしてノクターンという言葉で彷彿としてしまう思考。
耽美主義という、美しければほかはいらないという価値観から生まれいずる音楽とはこういうものなのか?

この「よくわからないからわかりたくなる」というもどかしさがクセになるような気がしています。

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