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【SundayWorks】 2020s music strategy ~2020年代の音楽制作を考える~

"毎週日曜配信: 感慨私見のテキストワークス"と題しまして、音楽制作に際して考えたことなどを発信しています。

7月に入りましたね。
2020年も半分を終え、後半戦。
いま自身に問う"新しい生活様式"のひとつ、"音楽といかにして暮らすか"
このことについての感慨私見を述べていきたいと思います。

これからの音楽制作の在りかた

現在進行形の瑞々しい音楽を聴くたび、エバーグリーンな名曲の数々を聴くたび、
かつての熱狂的な音楽体験の残滓、痣を思い返します。

そんな懐古厨な気持ちをないまぜにして再開した音楽制作。
自分が作る音もそういった感動をもたらすものになってくれたらと思いながらも、
私の2020s、これからの音楽制作の在りかたは、
「日々生まれ出ずる音をかたちに残し続けていく」こと。
「エバーグリーンな名曲」というようなモニュメントづくりを目指すのではなくて、歩んでできる轍のような音楽を手がける。
そんな時間を要する作品づくりがこれからの音楽制作、人生の要諦になるんじゃないかと思っています。

中庸に生きる

「自分なら名曲ができる」
と根拠のない自信を燃やした若い時期がありました。
その自信が熱量とともにグラデーション的に減衰していき、「音楽で食っていくなんて、まぼろしー」と、いつのまにか断絶マインドに陥っていたことを思い出します。
それと入れ替わるようにして芽生えたのは、生活するために始めた飲食業への情熱であり、誰かのための料理を手がけるということに価値観を見出すように。
それから長い年月を経て半生、この業態に関わる仕事で糊上を凌いでいます。
現在は社会的要求と自分のバリューがバランスよく、価値のある仕事だと感じ入れる場所で働くことができています。この仕事の過程で思ったことを編んだnoteの内容はいまでも息づいています。

そして、これからの時代に改めてどう生きていこうかと問いを立てたとき、かつて情熱を燃やした音楽との"両軸の生きかた"ができるんじゃないかと仮説を立てました。

"両利きの経営(Lead and Disrupt)"を人生でも。

それは、"料理人×音楽家"という"Lead and Disrupt"、そうした自分自身で覚悟した道が、"快い中庸な生きかた"なんじゃないか。
そう考え、実践に至ったいま、ようやく"音楽との出会い直し"ができた気がします。

両軸を和合させる

「いつからだってはじめていいんだ。」
音楽との"出会い直し"がちゃんとできたのは、今年2020年に入ってから。
それまでは、リスナーに毛が生えた程度でしかなく、コンポーザーとして、プレイヤーとしてやるのなら、良曲を作り、技術力がなければ始められないと思い、いつまでも止まっていました。
それから様々な知見や体験を経て、"足跡を作品にするアートワーク"が人生を彩る価値になると達観し、毎日音をかたちに残すことを自身に課しました。

知行合一。
いざやってみれば、納得できるクオリティではないにしても、今日一日の音や思いを残すことができたという達成感はあります。
日々の食事づくりを仕事(Lead)にして、感じたこと、考えたことなどを音楽で綴ること(Disrupt)をする。これを先月からなんとかやり続けています。
その活動を改めて振り返り、「とてもウェルビーイングな生きかただな!」と自己満足しています。

そして。

2020年の後半に差し掛かり、新たな取り組みを模索しようと画策しています。
それが"両軸を和合させる"ということ。
明確に分離している感覚のある"料理と音楽"、"オンとオフ"、これを融和させ、和合させていく。
生きることと活動することをより快くする、"生活"にしたい。

この考えの発端は、慶應義塾大学教授の宮田裕章さんが提唱する、"human Co-beingの時代"に与することを模索したいと思ったからで。

"human Co-being"の概念は理想論にも思えますが、自己満足な"well-being"から、共生的な"better co-being"へトランスフォームしなければ、いつまでたっても人は繋がりをもてず、個人至上主義から脱却できない人生観で生きていくことになると思いました。

音楽は、あらゆる障壁を取り去り、つながりを生みだすチカラがあります。
ただ、それは共有できる音が鳴り響いている間だけのような気がして、その音がやんでしまえば再び乖離してしまうものでもあると思います。
これからの時代は、"音楽を鳴らし続けること""存在を発し続けること"が大切なのではないか。
そういった観点からも、このスタイルで音楽制作を続けたい。
そして共有できる場づくりや、共感できるコミュニティや、共創する仲間を築いていきたい。
そこから先はまだまだ儚い希望にしか思えませんが、まずはこのアートワークを経験して確立していくよう努めていきたいかな、と思います。

ではいつか、better Co-beingに在れる時代を目指して、
引き続き、人生を快くまっとうしていきましょう。

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