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【音楽×珈琲 鑑賞録】11月17日~ジョルジュ・ビゼー 『アルルの女』第2組曲「メヌエット」

音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【45日】
11月17日のテーマは、【謎】

とりあげる作品は、
ジョルジュ・ビゼー /
『アルルの女』第2組曲「メヌエット」

です。

ジョルジュ・ビゼー
Georges Bizet
1838年10月25日 - 1875年6月3日
フランスの作曲家

『アルルの女』(L'Arlésienne)は、アルフォンス・ドーデの同名の短編小説『アルルの女』の劇付随音楽として1872年に全27曲を作曲。のちに編曲された2つの組曲が広く知られています。

第1組曲はビゼー自身が通常オーケストラ向けに編成を拡大して組曲にしたもので「前奏曲」「メヌエット」、「アダージェット」、「カリヨン」の4曲構成。

第2組曲は、ビゼーの死後の1879年に友人のエルネスト・ギローの手により完成。「パストラール」「間奏曲」「メヌエット」「ファランドール」の4曲で構成され、なかでも第2組曲の「メヌエット」が『アルルの女』のリード曲といえるほど有名な楽曲です。

この「メヌエット」は、ギローが歌劇『美しきパースの娘』の曲を転用し、編曲したもので、フルートとハープの音色が美しい作品に仕上がっています。
おそらくギローの力添えがなければ、アルルの女という作品自体の認知度はそこまで高いものにはならなかったでしょう。

ビゼーはこの作品でアルト・サックスを用いるなど、先駆的な音源の導入をしています。
生前最後の名曲「カルメン」も、ヒロインの声域をソプラノではなくメゾ・ソプラノに設定するなど、ビゼーは新しい発想を導入することに長けていた人でした。

音楽家として天才であったとしても、演奏や曲がよければ遺るというわけではありません。遺したいと思ってくれる誰かがいるかどうかが音楽家にとってもっとも重要な素養な気がします。
ビゼーは無念の死を遂げてしまいましたが、ギローが想いを汲んで世に遺るかたちで落とし込んでくれたわけで、こうした伝えてくれる人に伝わるように施す力量こそクリエイター全般に求められるものなんだと、この作品を通して感じ入ることができました。

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