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【音楽×珈琲 鑑賞録】3月26日~アーロン・コープランド バレエ音楽『アパラチアの春』

音楽観を鍛える鑑賞録。
3月26日のテーマは、【主題】

とりあげる作品は、
アーロン・コープランド /
バレエ音楽『アパラチアの春』

です。

アーロン・コープランドの名言
So long as the human spirit thrives on this planet, music in some living form will accompany and sustain it and give it expressive meaning.
「人間の魂がこの地球上で繁栄する限り、なんらかのかたちで生きた音楽が魂に紐づき、維持し、表現に意味を与えてくれます。」

アーロン・コープランド
Aaron Copland
1900年11月14日 - 1990年12月2日
20世紀アメリカを代表する作曲家のひとり。

ニューヨーク、ブルックリン生まれ。
21歳のときにパリに留学。
留学中にはジャズの要素を取り入れた曲を多く書いていました。
それから次第に一般大衆と現代音楽の隔たりを意識するように。
1924年に帰国すると、「アメリカ的」音楽を模索、アメリカ民謡を取材・研究し、これを取り入れた簡明な作風を打ち立てました。
出世作『エル・サロン・メヒコ』(1936年)を経て発表された、
『ビリー・ザ・キッド』(1938年)、『ロデオ』(1942年)、
そして『アパラチアの春』(1944年)などのバレエ音楽が、コープランドのスタイルとして確立されています。

この『アパラチアの春』(Appalachian Spring)
バレエ版の原曲は、13人からなる小管弦楽用に書かれ、演奏時間は約33分。
のちの1945年に、オーケストラ用組曲に編曲。演奏時間は約25分です。
この作品によって、1945年にピューリッツァー音楽賞を受賞しました。

バレエ版では14の楽章に分かれていますが、
オーケストラ版は8つのパートからなっています。
通しの交響曲ながら、テンポ指定が成されているため組曲らしくなっています。

この曲は総じて希望と光、壮大さを感じさせます。
まさにハリウッド映画に使われていそうな雰囲気があります。
1800年代のアパラチア山脈、アメリカ開拓民達が新しいファームハウスを建てた後の春の祝典をコンセプトにしているため、そのような感慨を覚えるのでしょう。
視聴後は映画一本観たかのような清々しさがあります。

人生はジェットコースターのように、幸も不幸も目まぐるしく入れ替わるものかもしれませんが、絵画や写真のように切りとったとき、そこに映る様は幸せそうな笑みを浮かべていてほしいと思うものです。
この楽曲を聴いていると、そんな一枚絵を眺めるような嬉しさと切なさを思わせてくれます。
そんなノスタルジックな気持ちを味わいたいとき聴きたくなるレパートリーになりました。

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