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【音楽×珈琲 鑑賞録】12月23日~トマス・タリス エレミアの哀歌

音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【9日】
12月23日のテーマは、【音楽史】

とりあげる作品は、
トマス・タリス /
エレミアの哀歌

です。

トマス・タリス
Thomas Tallis
1505年頃 - 1585年11月23日
16世紀イングランド王国の作曲家、オルガン奏者

「哀歌」を指すラメンテーション。
より深く理解を促すと、ヘブライ聖書の中の一書である"מגילת איכה"(’ēykhāh エーハー)、"Book of Lamentations"に含まれる5つの歌で、この歌で預言者エレミヤは紀元前586年におきたエルサレムの陥落とエルサレム神殿が破壊された嘆きの歌、そして占領されたのは神の戒めであり、神との新たな契約を予言する歌でもあります。

この歌を歌詞にして音楽にした作者のなかでも16世紀に作曲したトマス・タリスの作品はこんにちでも歌い継がれる宗教曲になっています。
トマス・タリスは、ロンドンの教会やウォルサム・アビー修道院でオルガン奏者をつとめ、カンタベリー大聖堂での職を経た後、1542年より王室礼拝堂のオルガン奏者だったと伝わる通り、イギリス王室に仕えた教会音楽の作曲家兼オルガニスト。
この作品もキリスト教の精神的支柱にそえる歌としてこれからも歌い継がれていき、歴史の厚みを増していくのでしょう。

いま、放射冷却が効いた寒々しい部屋で荘厳なハーモニーを聴きながらこの記事を書いていますが、なんとも厳粛で慎ましい気持ちにさせられるというか、自然のなかで生かされているというのをひしひしと感じさせられ、「謙虚でいよう」と考えてしまいました。
運ばれてきたものに有難さを思いながら、在るべきようにしていきたいですね。

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