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【音楽×珈琲 鑑賞録】8月25日~ジョアキーノ・ロッシーニ オペラ『ウィリアム・テル』

音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【129日】
8月25日のテーマは、【謎】

とりあげる作品は、
ジョアキーノ・ロッシーニ /
オペラ『ウィリアム・テル』
です。

ジョアキーノ・アントーニオ・ロッシーニ
Gioachino Antonio Rossini
1792年2月29日 - 1868年11月13日
イタリアの作曲家

今回とりあげるロッシーニのオペラ『ウィリアム・テル』(Guillaume Tell)は、4幕構成のグラントオペラ。速筆のロッシーニらしからぬ作曲に5ヶ月を要した、ロッシーニにとって最後のオペラ作品です。

原作はフリードリヒ・フォン・シラーで、1804年に書いた戯曲『ヴィルヘルム・テル』(Wilhelm Tell)を元に、1829年にロッシーニがオペラ『ギヨーム・テル』(Guillaume Tell)を作曲しました。日本では英語読みの『ウィリアム・テル』(William Tell)が一般になってしまっています。

このオペラ全編はだいぶ長尺で、約4時間ほどの演奏時間を誇る大規模なもの。
そして、「ウィリアム・テル序曲」(Ouverture de Guillaume Tell / William Tell Overture)は、クラシック界でも指折りの有名曲です。
第4部の「アレグロ・ヴィヴァーチェ」(スイス軍隊の行進)が耳馴染みあるもので、運動会やテレビなどでのBGMで聴く機会が非常に多いものです。

こうした楽曲を手がけたロッシーニはこのとき37歳という若さで、この曲を手がけたあとは悠々自適に気分が乗った時に音楽を作り、あとは美味しいものや陽気な酒宴などを愉しむ人生を送ります。
音楽家のFIRE(Financial Independence, Retire Early)を最初にやったのはロッシーニなんじゃないですかね?
それはさておき、ロッシーニの名曲を作る力と、合理的な判断力には驚嘆することしきりといった具合です。

聴けば一発でテンションの上がる音楽は何か?
と問われたときに、ここまで古今東西共通して見解が一致しそうな音楽は類を見ません。それをものの5ヶ月で書き下ろしたわけです。
そして、あとはテキトーに楽しく暮らすことを選んだ人生。
羨ましくありながら、天才とはこういう人を言うのだろうなということにして諦めるしか他ない気がしてしまいます。

翻せることがあるとすれば、ロッシーニの手がけた音楽のどこが素晴らしいのかを理解できれば、幾ばくかの再現性は浮かび上がるかもしれません。
ロッシーニのような人生は無理にしても、惹きつける音楽の秘密を模索することと、この音楽の素晴らしさを素直に受けとめることは、人生を豊かにすることにもつながるような気がしています。

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