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【音楽×珈琲 鑑賞録】5月22日~ジョン・フィリップ・スーザ 「星条旗よ永遠なれ」

音楽観を鍛える鑑賞録。 
5月22日のテーマは、【ジャンル】

とりあげる作品は、 
ジョン・フィリップ・スーザ /
「星条旗よ永遠なれ」

です。

ジョン・フィリップ・スーザ
John Philip Sousa
1854年11月6日 - 1932年3月6日
アメリカの作曲家、指揮者

今回とりあげるスーザの楽曲、『星条旗よ永遠なれ』(Stars and Stripes Forever)は、1896年に作曲されたといいます。
スーザは、元アメリカ海兵隊音楽隊隊長で、「雷神」や「ワシントン・ポスト」など行進曲を100曲以上も手がけた「マーチ王」と呼ばれているそうで、「スーザフォーン」というマーチング用のチューバも考案したというのだから、極まってますね。

この『星条旗よ永遠なれ』は、スーザが自らの楽団「スーザ吹奏楽団」結成のきっかけを作った興行師ブレイクリーの死の報を聞いて、船での帰路の途中に思いついたという逸話があります。
クリスマスに手がけたというエピソードも含め、ドラマティカルに仕上げているのかもしれませんが、感情の昂りを意匠にこめる方式は作品に勢いをつけるためにも大切です。

この『星条旗よ永遠なれ』には歌詞もあり、
その歌詞もまた、ナショナリズムを大いに煽動する気合いの入ったもの。
愛国精神を築いていく観点からして、
この音楽がもたらした効果は甚だしく、
"The Star Spangled Banner"とともに、相乗効果で国民国家のテンションを高めていった作用は凄まじいものでしょう。

人間の感情は複雑ながらも、あえて直情的に信心して突き進むモメンタムが強固な壁を突破することもありえます。
そうした、心にたぎる音楽があること。
そのことがいかにモチベーションを駆動するのに作用するか。
音楽のチカラとはこういうものだと言わんばかりの楽曲です。
こうした楽曲の経緯を知り、人々の心にいかに響くかを考えることが重要です。

音楽のチカラを鑑みるに、
わたしたちが見聞きしている音楽を楽しむ行為は、
実は上辺の部分だけを掬っているに過ぎないかもしれません。
日本にあるものだけに目や耳をむけるのではなく、
世界各国の人々が得た音楽のチカラとはどういうものなのかを探っていく。
そうして、もっと深く掘っていったとき、
音楽がわたしたちにもたらしてくれるものはなんなのか。
いつかそこに触れることができるまで、探求していきたいですね。

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