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【音楽×珈琲 鑑賞録】10月1日~アラム・ハチャトゥリアン バレエ組曲『ガイーヌ』より「剣の舞」

音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【92日】
10月1日のテーマは、【主題】

とりあげる作品は、
アラム・ハチャトゥリアン /
バレエ組曲『ガイーヌ』より「剣の舞」

です。

アラム・イリイチ・ハチャトゥリアン
アルメニア語: Արամ Խաչատրյան
グルジア語: არამ ხაჩატურიანი
ロシア語: Ара́м Ильи́ч Хачатуря́н
英語: Aram Il'ich Khachaturian
1903年5月24日 - 1978年5月1日
旧ソビエト連邦の作曲家、指揮者

今回とりあげるハチャトゥリアンの『剣の舞』(ロシア語: Танец с саблями / 英語: Sabre Dance)は、1942年に作曲されたバレエ『ガイーヌ』(ロシア語: Гаянэ / 英語: Gayane)の最終幕で用いられる楽曲です。

非常に有名でメディアでもよく使われているイメージから、ドタバタ感を想起してしまいますが、改めて音楽単体で聴いてみると民族的な音像にハッとさせられます。
どこか東洋的でありロシアやモンゴル地方の風合いも漏れ聞こえる音階と、疾走感溢れる木管と金管楽器をフィーチャーしたオーケストラ。
約2分ほどの演奏時間でバンっと終わるのもまた潔くて良い。

ハチャトゥリアン本人はあまりにも有名に成りすぎたこの単曲に「一発屋」と言われているような印象を感じてしまったのか、周りのもてはやしっぷりに嫌気が差していた様子だったそう。
この曲のエピソードからも、「ガイーヌ」を制作し終えたところで急遽、「クルド人が剣を持って戦いの踊りを踊る」場面が追加されたため、徹夜仕事で書き上げた音楽でした。
本人からしてみれば精魂込めて作りあげた音楽の方を評価してくれよと思ったのでしょう。

この曲を一夜で!?
と広告表現な驚きを覚えましたが、ここまで数々の作曲家陣の含蓄と制作スタイルを鑑みると、できちゃうんだろうなと納得してしまいます。
ハチャトゥリアンが「ガイーヌ」を手がけるまでには、音楽の基礎を学び、交響曲、ピアノ協奏曲、映画音楽と手がけられる技術的力量、それらを発揮できる場を勝ち取り、キャリアを積んできています。
成熟の頃合いとなったところで、急場しのぎで手がけたものがむしろスパークすることは歴史的名作曲家には見受けられる所業です。

翻してみれば、ここまでの高みに至らないまでも、過去の自分とは比較できます。
自分なりにも積み上げ、グラデーションでありながらレイヤー化するような成長をこつこつやっていくこと。
それがいつか成熟したときに思いもよらぬスパークがありうるかもしれません。
世間的評価は得られなくとも、自分自身納得できる成果を描けるように努めていきたいものですね。

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