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【音楽×珈琲 鑑賞録】12月28日~バルトーク・ベーラ 管弦楽のための協奏曲

音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【4日】
12月28日のテーマは、【周辺】

とりあげる作品は、
バルトーク・ベーラ /
管弦楽のための協奏曲
です。

バルトーク・ベーラ・ヴィクトル・ヤーノシュ
Bartók Béla Viktor János
1881年3月25日 - 1945年9月26日
作曲家、ピアニスト、民俗音楽研究家

「管弦楽のための協奏曲」(Concerto for Orchestra)は、1943年に作曲した5つの楽章からなる管弦楽曲で、バルトークの晩年の代表作です。

演奏時間は約38分ですが、バルトークの総譜上の指示には「第1楽章9分48秒、第2楽章6分17秒、第3楽章7分11秒、第4楽章4分8秒、第5楽章8分52秒(改訂前の結尾)で、全曲はおおよそ37分。」と記載されているそうです。

ハンガリー王国に生まれ、21歳という若さで交響詩を完成させてから、ピアニストとしても民族音楽の専門家としても活躍していたバルトークでしたが、第二次世界大戦以降アメリカに移住も居心地が悪く、創作意欲がわかずに健康状態が悪化の一途をたどります。
ライフワークにしていた民俗音楽の研究もできず、戦争によって印税収入も滞り、経済的にも困窮。
そんな鬱屈したバルトークが友人たちによる作曲依頼で援助を受けた際に、作られた作品がこの「管弦楽のための協奏曲」です。

5楽章構成によるほぼ交響曲のような作品ですが、楽器ごとに独奏的な様式を設定しているため、オーケストラで協奏曲様の音響に仕上がっています。
アンサンブルとしてポリフォニック的になる部分が多いため、ハーモニーを構築する難易度は高いもの。
演奏者はもちろん指揮者の力量が問われる聴きごたえのある作品というのが特徴的です。

バルトーク自身がこの作品を作曲して活力が少し湧いたものの、白血病と診断され、わずか数年の活動で亡くなってしまいます。
ただ、友人の励ましから作品が生まれ、かつ人生を代表する楽曲を手がけることができた時間と遺産はかけがえのないものでしょう。

持ち時間は誰にもあります。
気づいたのなら、行動できるうちに最善を尽くしたいものですね。

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