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【音楽×珈琲 鑑賞録】9月22日~ヨハン・セバスティアン・バッハ 6声のカノン

音楽観を鍛える鑑賞録。
エンディングまであと【101日】
9月22日のテーマは、【謎】

とりあげる作品は、
ヨハン・セバスティアン・バッハ /
6声のカノン

です。

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
Johann Sebastian Bach
1685年3月31日(ユリウス暦1685年3月21日) - 1750年7月28日
18世紀のドイツで活躍した作曲家・音楽家

今回とりあげるJ.S.バッハの「6声のカノン」(Canon triplex á 6 voc., BWV 1076)は、対位法的作品で「6声の三重カノン」とも呼ばれ、有名なバッハの肖像画に描かれている楽譜の作品です。

「対位法」は音楽学術において重要な作曲法のひとつで、複数の旋律を独立したまま組み合わせて調和させる音楽技法です。
「カノン」も対位法のひとつで、複数の声部が同じ旋律を異なる時点からそれぞれ開始して演奏する様式の曲を指します。
この「6声のカノン」は、3つの旋律パートがあり、それぞれ3小節。
頭から演奏するのと最後から演奏するのを同時にやり、それが3つの旋律パートが同時に鳴らされるので「6声の3重カノン」という様式になります。

1747年、バッハも晩年となる時代においては音楽学術の知識に優れていることが音楽家として認められる第一条件でした。バッハは、この作品とクリスマスの歌「高き御空より我は来たり」によるカノン様式の変奏曲(BWV 769)を、教え子のローレンツ・クリストフ・ミツラーが主催する「音楽学術交流会」に入会するために提出しました。
バッハはこれ以外にも対位法的作品を多数作曲し、なかでもフリードリヒ大王に献呈した「音楽の捧げもの」 (Musikalisches Opfer BWV1079)は意匠設計が凝っているだけでなく、バッハらしい音楽性も持ち合わせていて、さすがと唸る作品です。

バッハが生きた時代から300年近い時を経ているわけですが、この時代の人々の音楽に対する知識や情熱には頭が下がります。
こうした歴史の礎の基にわたしたちは気軽に音楽を楽しめているわけで、畏敬の念が湧き上がるとともに、学び経てきたものを理解することも大切だなと思いました。

音楽理論の世界は難解であるとはいえ、音楽に畏敬の念があるというのが本心であれば、解読に努めることが筋というもの。
半歩でも学び進めていけるよう、努めていきたいものですね。

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