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【音楽×珈琲 鑑賞録】4月21日~ジャン=マリー・ルクレール 『ヴァイオリン・ソナタ』

音楽観を鍛える鑑賞録。
4月21日のテーマは【謎】

とりあげる作品は、
ジャン=マリー・ルクレール /
『ヴァイオリン・ソナタ』

です。

ジャン=マリー・ルクレール
Jean-Marie Leclair
1697年5月10日 リヨン - 1764年10月22日 パリ
バロック音楽の作曲家。18世紀フランスにおけるヴァイオリン演奏の巨匠。

ジャン=マリー・ルクレール(Jean-Marie Leclair)は、バロック期のフランス音楽家というイメージそのままの人ですね。
1733年にルイ15世から王室付きの音楽教師に任命され、その後オラニエ公妃アンナに仕え、1738年から1743年まで毎月ハーグの宮廷で楽長になり、1740年から没年まで、グラモン公に出仕するなど、宮廷音楽家を象徴するような人生を歩んでいます。
それから、1758年に結婚生活が破れてしまうと、人目を避けて貧民街に隠れ住むようになり、1764年にそのあばら家で、惨殺死体(刺殺)となって発見されたそうです。
ことの真相は未だ解明されていませんが、このドラマチックな人生はミステリー小説にもなっていますし、輝かしい天才ヴァイオリニストの数奇な人生が後世の創作にインスピレーションを与えたことは想像に難くありません。

たくさんのヴァイオリンソナタや協奏曲、フルートの楽曲、オペラも1作残しているなど、現代でも演奏される機会が多く、ルクレールのエピソードはクラシックに関心のない聴衆にも興味を惹かせるストーリーで耳目を集められたのではないかと思います。

ルクレールの最期は踏襲できませんが、学び受けたことは、
後世にとってエピソードトークができる人生を歩むことは、作品が末長く継がれていくドライバーになることが考えられます。
ルクレールの人生はヴァイオリンやクラシックに関心がない聴衆にも興味を惹くようなエピソードであり、もし自分がヴァイオリニストで演奏会を開くとなったら、このストーリーを語って演奏するでしょう。
MCの語り口を考え、どういう筋書きで耳目を集めるかという思考のトレーニングにもなります。
人々の関心を惹くのは、音楽そのものだけではなく、傾聴したくなる仕かけも必要です。アーティストがアーティストを語りたくなる状態にもっていくことも大切だな、と気づかされました。

当然ルクレールは本意ではない話でしょうが、後世にいる身として学び受けたポイントとして、「エピソードのある人生を」と、ポジティブな側面で築けるように働きかけていきたいものですね。

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