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【音楽×本 鑑賞録】"366日の西洋音楽" 1月24日~ヨハネス・ブラームス ハンガリー舞曲集

音楽観を鍛える鑑賞録。
1月24日 本日のテーマは、
【ジャンル】
とりあげる作品は、
ヨハネス・ブラームス /
ハンガリー舞曲集

です。

いますぐ聴きたくなる! 1日1ページでわかるクラシック音楽の魅力
1週間で7テーマ! 1年で「クラシック音楽」の虜になる!
本書には、いまでも多くの人に愛好されているクラシック音楽の名曲の数々を、より深く楽しむための知識や情報を盛り込みました。366の名曲を、「音楽史」「主題」「ジャンル」「逸話」「作曲・演奏」「周辺」「謎」といった7つの共通テーマで考察・解析・推理・解説します。

ハンガリー舞曲集ということで、ブラームスが1867年に出版社に送って以来1880年に3・4集と刊行し、全21曲のハンガリーの民族音楽を作・編曲したものです。
ジプシー(ロマ)音楽がハンガリーの民族音楽だとブラームスは信じていたそうですが、実際にはヨーロッパの広範囲で扱われていたようです。
当初はピアノ連弾用に編曲して、独奏用、ヴァイオリン用、管弦楽へと発展を遂げていきました。かの"第5番 嬰へ短調"は、いまでも知らないものはいないと言い切れそうな作品です。
緩急が交差した軽妙な音楽は、聴いているものの思考を抑制することなく、心地よく行動を促してくれるようなものですね。

この作品集をめぐって思うことは、「誤訳からの解釈と発展の歴史」を考えさせられます。
どういうことかというと、そもそもこの楽曲集自体、ハンガリーの民族音楽とはいいきれず、ブラームスの誤解から始まっています。それがときを経て、解釈され、再構築され、クラシックに成りました。つまり、「ときを経ればどうなるかなんて分からないんだから、やりたきゃやりゃええんじゃ。」という解釈ができます。
この楽曲が後々になれば、盗作疑惑訴訟の際に、「いや、編曲だから」ということでブラームスは免れるているというところも、「なにが起こるかなんて人智を超える」というものです。
上記のユーリ・シモノフ御大のハンガリー舞曲集完全版を聴いてみてほしいのですが、かの有名な部分は48分27秒くらいから訪れます。楽団によってこれほどまで変わるのかと思うくらい、大胆な解釈がされています。
もはやなにがオリジナルなのかもわからないほど、解釈は多様です。

真実はいつもひとつとはかぎらない
自分もこのnoteで綴っていくことがなにをもたらすかまったく見当もつきませんが、宇宙に投じ続けていれば、人智を超えたなにかになっているんじゃないかと、ふわふわと思いながら、ただやっていきたいと思います。

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