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書籍『Character Strengths Interventions』を読み解く #1(序章)

こんにちは。紀藤です。強み論文100本ノックを終了しましたが、早速、「強み文献おかわり100本ノック」をスタートいたします。

これまでの強み論文100本ノックで、強みが組織において、教育において、人間関係において、幸福度や人生満足度において、良い成果に繋がるということは、十分理解することができました。

ただ、「強みの科学を、どうやって実践につなげることができるのか?」については以前不明なままでした。

そんな中、VIA研究所のRyan M.Niemiec氏が2017年に出版した『Character Strengths Interventions』なる本があります。これは、VIAの強みアセスメントを中心とした強みの科学と実践が詳細にまとめられた本となっています。サラッと見た感じ、めちゃくちゃ知りたいこと(強みについての疑問、強みの介入方法など)が丁寧にまとめられている印象でした。

・・・と、いうことで、今日からこの本のポイントについて、私の拙い英語力とDeepLとChatGPTなどの力を総動員しつつ、読み解いていきたいと思います。

<今回ご紹介の書籍>
『Character Strengths Interventions: A Field Guide for Practitioners 』
Ryan M. Niemiec(著)
https://amzn.asia/d/hgoUQyF

今日は、本書の全体像と序章のご紹介です。それでは早速参りましょう!


本書の特徴

まず本書の特徴から。本書の序文では「実用的であると同時に感動的である」「彼が成し遂げた偉業を理解し味わうために数分間立ち止まざるを得なかった」という各研究者からの推薦の言葉が並びます。
 またもう一つは「入手可能なエビデンスに基づき、驚くほど実践的」「性格的強みを活かした介入方法が明確に説明されている」「配布資料は特に有用である」など、「実践的な本」という点も強調されていました。

ということで全体像を概観する上で、Amazonの本の紹介文を、以下日本語に翻訳の上、引用させていただきます。

コーチング、心理学、教育、ビジネス分野で活動する専門家のための、実践的なポジティブ心理学と性格的強みに関する決定版ハンドブックです。

この本はポジティブ心理学の真髄です。
ポジティブ心理学の「基盤」となる性格的強みを取り上げ、科学と実践の間に実質的な橋を架けます。
 クライアント(そして自分自身)の性格的強みを活用することで、幸福感を高め、レジリエンスを育て、人間関係を改善し、実践、教室、組織内で強くサポートする文化を築きます。
 
 このユニークなガイドは、著者の広範な経験とポジティブ心理学の科学と実践を結びつける方法を提供し、新しい実践者も経験豊富な実践者も利益を得ることができます。
 入門の実践者は、性格的強みと特徴的強みの核心的概念や、アプローチを調整しトラブルシューティングする方法を学びます。
 経験が豊かな実践者は、強みの過剰使用や衝突、敏感な問題、道徳、またはフロー、マインドフルネスとの統合などの高度なトピックについて知識を深めることができます。
 
 本全体にわたる実践者向けのヒントは、真に強みに基づいたアプローチを取る方法について貴重なヒントを提供します。
 24の要約シートは、クライアントセッションに欠かせないリソースであり、各普遍的な性格的強みの核心的特徴と研究を簡潔にまとめています。
 70のエビデンスに基づいたアクティビティハンドアウトは、クライアントに提供することができ、性格的強みの認識と使用を促進し、レジリエンスを高め、目標を設定・達成し、ポジティブな人間関係を築き、日常生活に意味と関与を見出すのに役立ちます。

 あなたがどのような実践者であっても、この一風変わったフィールドガイドは、科学に基づいたアプリケーションの宝庫です。すぐに幸福の科学を実践に移すことができるでしょう!

とのこと。

特に、紹介文でも述べられている「24の要約シート(VIAの強みのまとめ)」と「70のエビデンスに基づいたアクティビティ・ハンドアウト」は、見た感じそのままワークショップで使えそうな内容がまとめられており、大変価値があると感じました。

本書の全体像

では、具体的にどのような全体像なのか、こちらについても、その目次を「全9章+Appendix」について、以下紹介いたします。

第1章 強みに基づく実践の基盤:キャラクターの科学の7つの核心概念
・強みの次元と文脈
・全24の性格的強みが重要
・強みの種類(才能、技能、興味、資源、価値観、推進力など)
・性格的強みは開発される

第2章 シグニチャーストレングス(特徴的な強み):研究と実践
・ シグニチャーストレングスを新しい方法で使う
・ シグニチャーストレングスを使う上での注意点

第3章 実践の要点:強みに基づく実践のための6つの統合戦略
・1)自分の中の強みを認識し、ラベルをつけ、肯定する
・2)性格的強みは社会的である
・3)活動と性格的強みを整合させる
・4)強みの基づく実践モデルを使用する
・5)あなたのアプローチに性格的強みを組み込む
・6)セッションや会議で自分の強みを使用する

第4章 行動の罠、誤解、戦略
・行動の罠と提案された戦略
・低い強み、欠点、弱点を改善する
・誤解、現実、ヒント
・回避、非回避、文化

第5章 性格的強みを適用する上での高度な問題
・強みの使い過ぎ、使わなさすぎ
・シナジーと衝突:4象限のモデル
・論争の的、倫理

第6章 性格的強み24への注目:実践者用のハンドアウト
・24の要約シート

第7章 性格的強みを応用するための介入
・成功する「強みの介入」のための最適な条件

第8章 性格的強みに基づく研究介入
・強み介入の実践的な70のアクティビティの紹介

第9章 リファレンス
Appendix
Q&A(ストレングス・ファインダーやMBTIとの違い等)

以上、本書の全体像についてまとめてみました。

まとめと個人的感想

私は、ストレングス・ファインダーの認定資格を保有する講師でもありますが、最近為替の影響なのか、2年ほど前までは5000円台だったストレングス・ファインダーの受検(全34資質)が、今では9000円台にまで高騰してしまいました(涙)

個人的にストレングス・ファインダーは成果に繋がる強みということで仕事の文脈では大変使い勝手がいいのですが、学校や家庭内だと少し高くついてしまうところがあると感じていました。

その点、VIAは無料で受けられること、また研究データも公開されていることなどから、コスト面に加えて、科学と実践を結ぶ知見の豊富さもあり、ポテンシャルを感じていた今日この頃。
 その中で、こうした知見をVIA研究所のNiemiec氏(論文でもたくさん登場されていました)が、強みの実践を考える人に知見をまとめてくれる本が存在していることはなんともありがたい限りです。

ということで、明日から『Character Strengths Interventions』祭りになりそうですが、よろしければお付き合いくださいませ。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

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