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書籍『Character Strengths Interventions』を読み解く #12 ~「強みにスポットライトを当てる」(第6章)~

こんにちは。紀藤です。本日も強みシリーズ「書籍『Character Strengths Interventions』を読み解く」をお届けいたします。

さて、今回のお話は第6章の「強みのスポットライト」です。言葉通り、「自分や他者の強みに光を当てる」ための補助線を提供してくれる章であり、強みを知りたい多くの人にとって、最も関連がある章かと思います。それでは早速みてまいりましょう!


「強み」を見つけるために必要なこと

自分や他者の強み(性格の強み)を見つけることが難しい理由。それにはいくつか考えられますが、一言でいうと「強みを表す言葉や概念を知らないこと」が挙げられると思います。もう少し詳しく分けると、2つに分ける事ができるかと考えています(書籍に書かれている内容ではなく、私なりの考察です)。

強みを表す「言葉」を持つこと

まず強みを見つけることが難しい理由の1つ目が、「強みを表す『言葉』を多く持っていないこと」です。
たとえば、「あなたの強みはなんですか?」と聞いたとします。すると「そうですね。素直で真面目なことですかね」とか「割と親切なほうです」「物事はハッキリいうことができます」と答えが返ってきたりします。

たしかに「素直」「真面目」「ハッキリ言える」「元気」「明るい」など、いくつかの言葉は浮かんでくるかもしれません。でも、それらの表現された強みも、言葉のバリエーションが少ないこともあります。
 それは、もともと自分の強みを声高に伝えるものではない、という謙遜の文化もあるかもしれませんし、そうした背景から強みを表す多くの言葉を、そもそも持っていない、とも言えそうです。

強みを表す言葉の「概念」を詳しく知ること

次に強みを見つけることが難しい理由の2つ目が、「強みを表す言葉の『概念』が詳しくに検討されていないこと」です。

人の強みは、「思考・感情・行動」の3つの次元で現れるといいます。たとえば、「親切である」というのは、どういった思考をすることなのか?、どういった感情を持つことなのか?、どういった行動を引き起こすのか? などが、概念として明確になっていないことも多いです。

「親切である」という強みも、その言葉が意味することを、もっと詳しく定義することができます。たとえば、先程の「思考・感情・行動」に分けるとすると、こんな風に表すことができるかもしれません。

・人の気持ちを感じ取ることができる(感情レベル)
・相手の考えていることを想像できる(思考レベル)
・人の話を寄り添って聞いてあげる(行動レベル)

(内容は私の創作です)

強みを表す言葉を理解し、読み解くことができれば、「自分の強み」をより正確に把握することができます。

「強みにスポットライトを当てる」資料

さて、今日の本題の「第六章 強みのスポットライト」の内容の紹介です。この章では、VIA24の強みそれぞれについて、1ページずつ詳しく説明している資料が掲載されています(しかもダウンロードできます!素晴らしい)

内容としては、以下の項目が含まれています。

【定義(Definition)】
・PetersonとSeligman(2004)による性格的な強みの定義です。
「VIA研究所」によって引き継がれています。

【本質(Essence)】
・性格的強みの核心的な要素です。キャッチーなフレーズで強みを捉えることでその強みをわかりやすく理解ができます。研究や専門家のフィードバックを元に作成されています。

【次元(Dimensions)】
・VIAの分類およびPetersonとSeligman(2004)の概念から提供された同義語を反映し、それぞれの性格的強みの多次元性を示します。(※次元とは、”考え方や能力や立場の質的な違いや隔たり”とされます。大きく強みの内容の違い、と捉えてよいかと思います)

【円グラフ(右上)】
・Peterson(2006a)二要素モデルに基づき、各性格的強みを独自に分類わけしています。このグラフは、横軸では「頭志向の強み(Head)」(例:論理、分析、推論)と「感情志向の強み(Heart)」(例、フィーリング、身体、感情、直感)、縦軸では「対人志向の強み(Interperosnal:他者と表現される)」または「内向的志向の強み(Intrapersonal:独りで表現される)」の二つの連続体で表されています

【相関関係】
・VIA Instituteのデータから、各キャラクター強みのトップ5の相関関係が示されています。

【強み構築のための質問】
・クライアントとのキャラクター強みの探求や自己探求を促進する質問を提供し、自己認識、洞察、行動変容を促します。

Peterson(2006a)二要素モデルからみた24の強みのクラスター
「審美眼」の強みのスポットライトハンドアウト

こうしたツールは、「強みに対する言葉と概念」を示してくれるものです。

よって、これらを読み解きながら、自分に当てはまるを検討したり、あるいは提案されている介入施策を試してみることで、強みを活用しやすくなる、と言えるでしょう。こうしたツールによって、「強みを表す言葉」を手に入れて、「強みの概念」をより詳しく理解することができるようになります。

(残念なのは「英語のみ」であること。日本語に翻訳ソフトで翻訳してみましたが、やはり直訳だと違和感があったので、また自分なりに読み解いてみたいと思います)

まとめ

数年前にストレングス・ファインダーの「強みを表す言葉」に初めて触れたとき、「達成欲」「活発性」などなんだか似ている言葉が多く、混乱をしていた記憶があります。

ただ、それらの言葉に含まれている意味を理解していくと、「物事を”終わらせる”強み=達成欲」「物事を”始める”強み=活発性」というように、各強みの概念の解像度が高くなっていき、そのことに従って、自分以外の人の強みにもより目が行くようになったと感じます。

今回の書籍は「VIA」で定義をされた24の強みですが、その構造は同じです。この24の強みは、無料で公開されている800ページもある資料があり、それを読めば、更に強みの解像度が上がっていくのでしょう。(読めるかどうかは不明・・・)

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

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