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Pedal Steel Guitarをこれから始める方に少しだけ説明させてもらうと、

Pedal Steel Guitarについてのお問い合わせを時々いただくので、再度ペダルスチールギターについてここに書かせてもらおうかと思っている。
ベテランの方にはなんの為にもならない情報になってしまうけれど、これからペダルスティールを始めようという方には何らかの役に立ってもらえるとありがたい。

まず、ペダルスティールギターのチューニングについてだが、今の主流はE9チューニングとC6チューニングとなっている。
まれにU12というユニバーサルチューニングの楽器を持っている方もいらっしゃるかと思うけれど、U12も基本的なチューニングはE9チューニングの低音弦を増やしたチューニングであるとも言えるので、大雑把にE9とC6の2つのチューニングがあると思ってくれれば良い。

多くのペダルスティールはE9とC6のダブルネックか、もしくはE9だけのシングルネックである。なぜ、ダブルネックのペダルスチールギターが必要かと思うかもしれないけれど、ひどく乱暴にいえばE9だけあればいわゆるペダルスティールギターらしい音楽はできてしまうのだ。

あの、カントリーミュージックで聴けるようなペダルスティールのサウンドは7割がたE9のネックで弾いている。E9は3コードの曲や、複雑なコードが出てこない曲ではとても弾きやすい。ペダルとニーレバーを操作すれば一つのフレット上で、C、F、G7、Am、Dm7、Emを鳴らすことができる。まあ、これはニーレバーが4本ついているエモンズセットアップの楽器に関していえばの話ではあるけれど、大体の3コード進行の曲はE9ネックさえあれば弾くことはできる。

それでは、C6のネックはどう使うか。これがなかなか説明が難しい。難しい理由は、私自身がほとんどC6ネックを弾けないからである。

C6のネックはちょっとおしゃれなテンションコードを弾いたりするときに重宝する。例えば、テンションコードを鳴らしながらトップノートでメロディーを弾いたりするとき、C6のネックがあれば重宝する。
また、同じポジション(一つのフレット上で)ペダルを操作することなくCとAmを鳴らすことができるので、感覚的にはこっちの方が弾きやすいという方もいるだろう。私は、その辺りをよく理解できておらずかえって難しいのだけれど。

そういうわけで、ダブルネックのペダルスティールギターが重宝する。

しかし、名人の中にはE9のネックだけ、もしくはC6のネックだけ使っている人もいる。かの(とはいっても、ご存知ない方のほうが多いだろうけれど)ロイド・グリーンはE9ネックだけで何でも弾きこなしていた。近年のペダルスティールのプレーヤーはいわゆるSD−10と私たちが呼んでいる、ダブルネックサイズのボディーにE9ネックだけが載ったギターを使う方も多い。

E9チューニングのペダルスティールギターはペダルの使い方だけでいえば、それほど複雑ではないのだけれど、いざ弾いてみようとすると、これまたなかなか難しい楽器である。なぜなら、ペダルスティールギターという楽器は必ずといって良いほどヴォリュームペダルを併用して演奏するからである。

このヴォリュームペダルの使い方の上手い下手がペダルスティールの腕前に直結してくる。私は、いまだにヴォリュームペダルの使い方がいまいちわからずにいる。

ジミー・デイという有名プレーヤーがいて、彼なんかはヴォリューム・ペダルの使い方が並外れて美しい。ヴィオブラートをかけながら徐々にボリュームをコントロールする奏法は聴いている私たちの心を掴むものがある。

近年では、ペダルスティールギターをカントリーミュージック以外でも演奏するプレーヤーが多くいて、よくもまあ、これだけ複雑な楽器であれほどまでの世界観を作れるものだと感心してしまうのだが、初めからそういうのをやりたいという方は、現代的な楽器(E9ネック用に4つペダルがついているもの)を買い求めるようだ。

4つ目のペダル、これをフランクリン・ペダルと呼んでいて、確かに色々と弾けるコードが増えるのだけれど、これがまた、使いこなすのは難しいので、私はもっぱらフランクリン・ペダルなしの楽器を使っている。使っているというよりも、所有している。
ペダルスティールギターは結構重量がある(ケースを入れて20〜30kg)楽器ではあるのだけれど、カントリーのライブハウスでも自分の楽器を持っていかなかなければならない。

運よく、店に置き楽器があったとしてもニーレバーのセットアップに大きく2流派あり、慣れるまでは時々使うべきニーレバーを間違えてしまうことがある。

私は、自分の楽器は全ていわゆる「エモンズ・セットアップ」にしている。楽器によっては、ニーレバーの順番が違う。慣れれば問題はないのだろうけれど。慣れるまで時間はかかる。
ペダルのセットアップについても上記のジミー・デイとバディー・エモンズでは順番が異なったりはするのだけれど、これは、楽器屋に購入前に確認してみると良いだろう。(8割がたエモンズ・セットアップではあると思うが)

ペダルスティールギターの難関は演奏だけでなく、楽器の移動なのだけれど、それについては、また今度書くことにする。

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