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カントリーのギター・スティールギター名手Junior BrownのGuit-Steel

今日取り上げるのは、Guit-Steelの名手Junior Brown。
Guit-Steelという楽器をご存知の方は、間違えなくJunior Brownをご存知の方だ。なぜなら、このGuit-Steelという楽器はJunior Brownが開発し彼がおそらく唯一の奏者だからだ。

Guit-Steelという楽器は文字通りギターとスティールギターを合体させたダブルネックの楽器で、ギター部分はテレキャスターのような(トレモロブリッジだけれど)サウンドで、スティールギター部分はFenderのDeluxe8(Stringmaster)のような楽器が搭載されている。彼は、この楽器でギターフレーズもスティールのフレーズも同時にこなしてしまう。まさに、ギターからスティールギターの道に入ったプレーヤーにとっては夢のような楽器だ。

Junior Brownはギターもスティールギターも凄腕で、ラフでワイルドなフレーズがどんどん飛び出してくる。歌も個性的で、かつてBeach Boysとも(歌とGuit-Steelで)共演したりしている。

ラフでワイルドと書いたが、まさに彼のギター・スティールギターは荒削りなところがあって、ライブではアドリブを繰り出しまくるので、バックバンドが彼の演奏についていくのが大変そうなほどである。ギターおよびスティールギターを志す方達必聴のミュージシャンである。

何よりも、音が良い。特にスティールギターの音は往年の名手(Leon McAuliffeとか)と肩を並べる凄さだ。ボリュームの使い方の妙、独特のビブラート、渋いコードワーク、何をとってもまさに現代のスティールギターの名手の一人であろう。

私自身、一番好きなスティールギターはFenderのDeluxe 8(Stringmaster)という8弦のスティールギターなのだが、Stringmasterは独特のプリプリ・ザラザラしたサウンドがして、いかにもカントリーミュージックのスティールギター!という感じがする。

8弦のスティールギターのチューニングは人によってそれぞれセッティングが異なっていて、Junior BrownのチューニングはGECAGECBbというC67チューニングであるらしい。トップノートをAではなくGにしているのは、8弦を7thの音にするためだと思うがどのように使うのかは自分でこのチューニングにしたことがないのでわからない。

Junior Brownの演奏はYouTubeでも視聴することができ、ダブルネックの名手Deke Dickersonとデュオで演奏している動画は楽器好きの心をくすぐる。

このGuit-Steelという楽器、実物は物凄く重いらしく、Junior Brownも演奏するときには、ストラップで吊るのではなくスタンドに載せて弾いている。私もいつの日かスティールギターを自分なりに極めることができたらGuit-Steel使いになってみたいと密かに考えている。

Guit-Steelもお店で扱おうかな。
まあ、ニーズはないだろうけれど。

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