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【うつ病/鬱病の症状や治るきっかけ/抗うつ薬について】

うつ病と診断される方は年々増加しており、珍しい病気ではなくなりました。

一方で「なんとなく大変そう」「一生治らない病気」「社会に馴染めない」などのマイナスのイメージを多く持つ方もいるかもしれませんが、実際はどうなのでしょうか。

本記事では、うつ病の症状や内服薬、治る過程について解説していきます。



鬱(うつ)病とは


うつ病とは、気分がひどく落ち込んでいて、やる気がでない・何をしていても楽しめないというような「精神的な症状」と、眠れない・食欲がないなどの「身体症状」が同時に起こる疾病です。


普通であれば悲しかったり辛く思うことがあっても、数時間〜数日でそれを受け入れ、少しずつ前向きに捉えて、気持ちを前に向けて行動することができるようになります。


しかしながら、その状態が数週間以上も続き、日常生活が送れないほどの大きな支障になっている場合、脳内では神経伝達物質であるセロトニンが出ずらい状態になっているといわれています。

そのため、カウンセリンングや治療が必要です。

うつ病の中には精神的な症状があまりなく、主な症状が身体的なものに偏っている状態もあり「仮面うつ病」と呼ばれています。

身体的な症状を治すために他の診療科を受診して、うつ病の発見が遅くなることがあります。




中等症・重症の判断基準


うつ病の診断基準には、アメリカ精神医学会が提示する「DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル」と、世界保健機関(WHO)が提示する「疾病及び関連保健問題の国際統計分類第10版(ICD-10)」があります。



そのうち、日本うつ病学会はDSM-5が採用されており、診断基準は以下の9項目です。

  1. 憂うつ(抑うつ気分)

  2. 興味や喜びがなくなる

  3. 食欲が異常・体重の増減が激しい

  4. 寝られないまたは寝すぎてしまう

  5. 動作が鈍くなるまたはそわそわしてイライラしやすくなる

  6. 疲れやすい・体が重い

  7. 自分に価値がないと感じる・自分を責める

  8. 集中力が低下する・考えられなくなる

  9. 死にたいと思ったり自分を傷つけたりする



また、重症度は以下の通りです。

  • 軽 症:9項目のうち、5項目を超えない程度

  • 中等症:軽症と重症の中間に相当するもの

  • 重 症:9項目のうち5項目をはるかに超えて満たし、社会的な支障が出ている状態




様々な鬱(うつ)病の種類

非定型うつ病(新型うつ病、現代うつ病)

非定型うつ病とは、前項で紹介した診断基準にあてはまらないうつのことを指します。

普段は落ち込んでいる気持ちが続いていても、良いことがあれば明るい気分になることが特徴です。

急激な体重増加・過眠・他人からの批判に過敏・強い倦怠感・ハイテンションになったり過呼吸になったりする、などから2つ以上あてはまる場合に、非定型うつ病が疑われます。




微笑みうつ病

微笑みうつ病とは、日常生活においてうつ病の症状が見られるものの、人と会うときには普通に笑顔で過ごしている状態です。

「自分が落ち込んでいる状態を見せてはいけない」と思って気丈に振る舞ってしまうことが特徴です。





季節性うつ病

季節性うつ病は、特定の季節に発症し、季節の移り変わりとともに回復することが特徴です。

特に日照時間との関係が指摘される「冬季うつ」が一番多くみられます。





産後うつ

産後うつとは、産後3か月以内に発症するうつです。

特に産後6〜8週間あたりは、ホルモンバランスの変化、子育てに対する不安、授乳などによる睡眠不足など、たくさんのストレス要因が重なることが影響しています。




更年期・高齢者のうつ病

更年期のうつ病は、ホルモンが影響していることが多いのが特徴です。
女性の場合、更年期には女性ホルモンの分泌量が大きく変化します。

高齢者も身体的な機能の低下により病気にかかることで、生活習慣の変化を余儀なくされるでしょう。

普段できていたことができなくなることによる不安などで、うつ病になりやすいことが指摘されています。




双極性障害(躁うつ病)

双極性障害は、かつては「躁うつ病」と呼ばれていましたが、現在はうつ病とは異なるものとして定義されています。

異常なまでにハイテンションになっている時と、異常なまでに落ち込んでいる時が繰り返し起こる、気分障害のことを指します。




寝ても寝ても眠いのは鬱(うつ)病?

うつ病の特徴の1つに、寝ても寝ても眠い状態があり、その状態を「過眠」と呼びます。

過眠の状態であるからといって、必ずしもうつ病と診断されるわけではありません。

ナルコレプシーや睡眠時無呼吸症候群によるものや、単に睡眠の質が低いことが原因である可能性があります。




鬱(うつ)病が治るきっかけ

うつ病が治るきっかけになることで重要なのは、休養がとれるような環境をつくることです。

人が生活をするうえで、人間関係は避けて通れないものです。

治療経過は周りの環境にも左右されるため、周りの人と協力していきながら環境を整えていくことが大切です。

一度治っても、環境の改善がされていないと再発する可能性もあります。
自分の生活を見直すところから初めていきましょう。




鬱(うつ)病の治療・処方される抗うつ薬

うつ病の治療方法は、大きく分けると3つあります。




休養

うつ病は、いわゆる脳がエネルギーを使いすぎて欠乏している状態なので、しっかり休養をとって休ませることが大切です。

療養場所が自宅であり、家族に迷惑をかけて申し訳ないと感じるようであれば、一時的に入院をすることを選択肢に入れてもよいかもしれません。



精神療法・カウンセリング

精神療法やカウンセリングは、うつ病の再発防止のために行っていくことです。

ストレスをためこみがちな性格の方は、考え方や捉え方を変えて、ストレスをためにくくしていくように、カウンセリングを行っていきます。

認知行動療法などは副作用のある薬と同程度の効果があるといった研究もあるのでオススメします。



薬物療法

休息をとったり、精神療法を受けたりすることも大切ですが、根本の原因は脳内の神経伝達物質であるセロトニンがうまく放出されないことであるため、セロトニンの放出を手助けするために薬物での治療を行います。

しかしながら、薬物療法だけを行っていればいいものではなく、薬物療法の効果が出るかどうかは、「休息がとれているか」「精神療法やカウンセリングを受けているか」も大切です。

また、抗うつ薬は効果が出るまでにおおよそ2週間かかるといわれているため、焦らずに治療をおこなっていく必要があります。




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