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入学式。衝撃のデビューを飾るでござる。

こんにちは。
昨日は次男の入学式でした。

末っ子の入学式に、涙を堪えて参加する。
そんな夢想をしていた私。

……甘かったわ。

チビ猫は、どこまで行ってもチビ猫だった。



入学式当日。
ソワソワしているチビ猫。

長男が先に登校し始業式に参加するのだが、その間もまとわりつくチビ猫(次男)。
ようやく出発した長男を見送ったチビ猫は、振り返るなり言った。

🐱「もう行く?」

……今日、何度目だろうか。

「まだ行かないー」
返しながら食器を片付け始める。


チビ猫の入学式は午後だ。
昼食を食べさせてから行かなければならない。

時間配分が難しいところだな……。

家事の段取りを考えている私にまとわりつくチビ猫。

🐱「もう行く?」
母「まだ行かないー」


食器を片付け、洗濯物を干す。
このあと早めに昼食を作って長男を出迎え。

昼食を済ませてからチビ猫くんを着替えさせ、トイレも済ませる、と。
余裕があれば書類の確認をしなくては……

🐱「もう行くーー?」
母「まだーーー」

😾「っもおぉ!!いつになったらいくのっ!!」
母「お昼食べてからって言ってるの!」

ムキーーーー!!
何度も言ってるのに、しつこいったら。


分かってはいるのだ。
彼は、緊張している。

ドキドキするから落ち着かなくて、何度も何度も聞いているのだ。

わかる……わかるよ。
だけどさ。
5秒に一回質問されるのは、あまりにもしつこいと思わないかい?



イライラを表に出した私を見て
😾「はぁ〜い……」

あきらめの色を声に思いっきりにじませ、チビ猫が退散する。



長男が帰宅。
学校の様子を聞きながら、昼食を出す。

お昼を食べさせつつ、改めて午後の動きを確認。

うむ。
入学式には余裕で間に合いそうだ。

んん?
気がつくと、チビ猫の姿がない。
さっき着替えさせたはずなのだが……


「いってきまーーーす!!」

いきなり玄関から元気な声が聞こえてきた。


ま……待ってぇええ……泣

自由なチビ猫は、新品のスニーカーをバッチリ履いて、仁王立ちで立っていた。
「俺はいくぞ」の気配が表情から滲み出ている。


……手ぶらだ。

何しにいくねんっ!!

🐱「え?にゅうがくしき」

はあああ……


これこそまさに猫旦那遺伝子である。
自由すぎる。

そんなチビ猫のフリーダム発言をニヤニヤしながら聞いている猫旦那。
奴はまだ、パジャマだった。

フリーーーーーーーダムッ!!



入学式に向かう前、玄関前の壁にくっついていたバッタとひとしきり騒いだのち、鳥飼家は出発した。

チビ猫はずうっとしゃべっている。
余裕そうだ。


ホッとしながら会場へ。
案内された体育館で、いきなり子どもと別の席に案内される。

周りは知らない人ばかりだ。
きっとチビ猫の方もそうだろう。

……大丈夫なんだろうか。


前の大人の頭で、子どもの席は見えない。



「もう行かない」
そんなセリフを、チビ猫から聞いてしまったらどうしよう。

不安に思うには、わけがある。

チビ猫は、幼稚園のプレから年中まで、ずうっと登園拒否っ子だった。
玄関でギャン泣きは当たり前。しがみついて離れないのも毎日。

長い長い登園拒否。
なだめすかし、お菓子で釣る。
抱きかかえてみたり、ずっとおんぶで登園したり。
それが当たり前の生活だった。

小学校入学を機に、またあの日々が再来するのではないか。
それを私は恐れていたのだ。


だがしかし。
そんな心配は無用だった。

新しい担任の先生に連れられて、子どもたちが退場する。
拍手で見送る保護者たち。

そんなたくさんの大人たちを前に……


彼は、大物政治家顔負けの笑顔で手を振っていた

選挙か。
誰に振っとんねん。


親の顔を見て、ポーズを決めながら「パワーーーー!!」と叫ぶ息子。
万雷の拍手の中でも、その声は高らかに響いた。

私も叫びたかった。
穴があったら、入りたいっ!!(煉獄さん)



一体何を心配していたのだろうか。

教室で担任の先生が話をしている間、ぷりっぷりのほっぺたを机にこすりつづける息子を眺めながら、私はぼんやり考えていた。

隣では猫旦那が、ニヤニヤしながら嬉しそうに写真を撮っていた。



親の心、子知らずとはよく言ったものである。
愉快なチビ猫は、今日も元気に登校しております。

お読みいただき、ありがとうございました。



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