見出し画像

きみの十代

先日、仕事から帰ってきた格好のまま、しばらく自室でその日の伝記を眺めてた。ぼんやりと視界が霞んで、心が暖かくなり、頭の中には一年前の今頃ラジオで言ったきみの言葉が聴こえる。

きみは決してマメな性格では無いし、器用、という訳では無い。でも何事も一生懸命で全力でやると決めたことはやり通す、根性と言う言葉が似合う責任感の強い男の子だ。それ故に、ジャニーズwebでやってる、グループでメンバー日替り毎日更新を約束したブログ『伝記』は、毎日更新の約束を守る為にさっき急いで書いたらしい一言二言の日もあり、そんならしさ全開のきみも面白くて大好きだった。

そんなきみが先日、ハタチの誕生日前最後の投稿日に珍しく長文のブログを投稿した。

わかんないけど、きっと、ラジオで大切な事を伝える前は前もって頭の中で考えて、自分の言葉で傷つく人もいるかもしれないからと全方面へ配慮を怠らないきみのことだから、あれを書こうって少し前から考えてたんじゃ無いかと思ってしまう。

思い返してみると今日まであっという間だった。芸能界に入りたいとお母さんに履歴書を送って貰った。オーディションでイチローの真似をして見事にしらけた。研修生になった。衣装のシャツがこれでもかと出ていた。ふにゃふにゃな踊りを踊っていた。突然ラジオのパーソナリティに選ばれた。なんであの子?たくさんたくさん向かい風に立ち向かった。諦めなかった。生まれたての小鹿みたいに外周の階段をローラーで一歩ずつ降りた。初めての集合うちわが発売された。仲間と話し合った。生放送で爪痕を残そうと頑張った。ローラーが自分の足になった。0番で夢を語った。MCを任されるようになった。奇跡が奇跡を呼び野球ファンにも名が広まった。地盤となるライブを創り上げた。初めて5人だけの単独公演に挑戦し手応えを感じた。ドラマに惹かれた。弟役をつとめた。ピラミッドの頂点、0番で踊った。初めての個人うちわが発売された。甘えるのを終わりにした。あたらしい目標が出来た。夢の大舞台で始球式の大役を務めあげた。伝説になると空に誓った。ぜんぶ、ぜんぶ、きみが自分の力で成し遂げた軌跡だ。すごい。すごいなぁ、やっぱり。きみを見てると羨ましくて敵わないなぁとなる、負けたくないと頑張ろうと思える。これは私の想像に過ぎないんだけど、2017の終わりあたりからアイドルとしての自覚や輪郭というものがハッキリしてきたように思う。そしてきみは気づけば、芸能界で生きる者としての覚悟を決めていたし、すっかり大人になっていた。でも、変わらずずっと泥臭くてまっすぐで全力だ。きっときみは、随分前から命を燃やしながらこの人生を楽しんで生きてる。生まれ変わっても俺がいい、そう答えた。そんなきみに夢中だった。

先述したように、今年夢の大舞台で始球式を務めた。当日の昼頃東京ドームのマウンドの外で練習をしているきみの情報が舞い込んできて、ドキドキしながらその日の夜を迎えた。嘘みたいだった。そこには野球少年だったきみと、アイドルのきみとの世界線が重なり合っていた。後日、ライブでその話になった時に蒼弥がふと言った言葉が忘れられない。「見る側から出る側になったんだね」本当に何気ない発言だったけど、ハッとして、わ〜〜〜、と心臓の奥が熱くなったのを覚えてる。今でも、きっと球場に観戦しに行くこともあると思う。でも、ひとたびマイクを持ったきみが立てばそこはステージに変わる。不思議だ。きみは魔法使いか何かか。そんな気がしてくる。

今ステージに立っているのは、一人の立派なアイドルだ。ひとは無意識のうちに誰かを助けていることもあるときみを見て初めて知った。その人の笑顔が、その人の生き様が原動力になる、そんなこともある。スーパーヒーローと言うらしい。全くきみにぴったりだ。

そして、夏に発売された雑誌でこんな事を言ってた。この自分の選択は間違いなかった、野球よりも熱中出来るものに出会えたから、と。そんなこと言うなんて思わなかった。本当にありがとう。なんか感謝したくなった。でも、一つ言わせて欲しい。私の人生、きみのファンになったこと、間違いなかったことの一つだよ。大正解だった。間違いなく最高に幸せだ。


今日からきみはまたひとつ新しい章に突入する。人生これから先何があるか分からない。でもなんだか凄くワクワクする。これまで向かい風を追い風に変えてきたきみだから絶対出来る。よく分からないけどそう思う。根拠はない。でも絶対。

世間的に”青春”とされるものは、例えば学生時代であったり人生の一定期間の年齢の事を指す事が多い。でもそんな事なくて。きっと“青春”とは心の持ち方であり、人生において希望と自分の可能性を信じ、臆病な心を退ける勇気を持ち続ければそれはきっと永遠に青春はその人のものだ。どうか、これも俺の青春、と思うものがこれからも沢山あって欲しい。いつだってきみは青春の当事者なんだ。

「僕の十代最後を最高のものにして下さい!」

「僕の十代は楽しいことばかりで最高だった」


きみのファンになれて本当に、よかった。


髙橋優斗くん、二十歳おめでとう。

画像1

2019.11.15

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?