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ChatGPT(AI)は短歌を書けない

まず、GPT-4/Bingはリミッターをかけたのか、いまは小説や短歌を書けません。
リリース直後は書けたのですがね。
ChatGPTはまだ小説、短文にリミッターはかけていなくて創作ごっこは可能です。

結論から書くと、ChatGPTは小説や短文は生成できるのですが短歌は生成できないです。
たしかに短歌らしき詩はプロンプト・エンジニアリングをうまくやれば生成できます。
でも、5・7・5・7・7の31文字をどうしてもできない。
再生成を何度やっても試してもだめでした。

短歌の日本語というのは必ずしも日本語の文法的に正しいものだけではないです。
これがAIが生成するには難しくしていると思われます。
プロンプトのテーマに沿った「短文」は生成できました。
ただ、それは短歌ではなかった。
短歌は上の句、下の句がありますが、これを使いこなすのもAIは無理なようです。
それに必ずしも上の句が575、下の句が77とも限らないです。
短歌は定型ではないです。
字余り、字足らずもレギュレーション違反とは言えない。
別の話ですが、短歌は、わたしのような初心者は定型を守った方がいいです。
破調はうまくなってから。
AIは定型も守れないし、破調にしては野暮。

以下がChatGPTのプロンプトの例ですが、気づきますよね。

以下の条件で短歌を書いて
・満開の桜の樹の下
・亡き恋人を思い出す

満開の桜
風に舞い散る
あなたの面影

咲き誇る花
あの日の恋の歌
胸に響く

春風に舞う
二人手を繋いで
咲く桜花

以下の条件で短歌を書いて
・夏の盛り
・花火
・いとこに恋したこと

夏の夜に
花火が煌めく
いとこの笑顔

見とれている
空に描く色とりどり
恋の瞬間

燃え上がる
紅白の花火が
胸の鼓動

それらしいですが、短歌ではないですよね?

AIはなぜ小説を書けるか?
ChatGPTはわりと冗長な文章を書くのは得意です。
もともとLLMの持つ、生成ってのは推測の要素があるので、プロンプトから推測をして生成する小説は得意です。
それでも、小説でもなんていうか国語学者の博士の小説家たちはAIの文章作法がおかしいと言います。
ただ、こっちは小説って物語さえ面白ければ読めちゃいます。
言葉やリズムを楽しむ短歌との違いはここ。
ただ、この手の博士で短歌・俳句をたしなむ方も見たことがないですが。
博士たちの求める日本語はリズムとか比喩の美しさではなく文法的な正しさですし、AIが得意なことをやりたがる。
小説以外だと大企業が使っている校正ツールがやっていることを同じことをやっています。
人間は勝てないですよ。
閑話休題。

小説はAIの導入が進むのではないでしょうか?
例としては飛躍しますが村上春樹さんは日本語の使い手としては現在の日本の小説家では一番です。
それでもわかりやすく言うと騎士団長殺しではストーリーがわからないと言われました。
それぐらい小説は日本語の美しさ以上の物語、テーマの明確さが求められます。
ChatGPTは説教くさいですがテーマを持った物語の生成はかなりできます。
美しい日本語の私小説が好きな日本人は多いのでそういうのは残るでしょう。
でも、その手のはいまはひどく読まれないです。
人生の要約みたいな私小説ってAIが日本語を得意になれば、いくらでもAIが書けるようになります。
要約はAIが得意にするところです。
この手の私小説で感情や信条を書いているのは珍しいですし、それができるのがプロで、AIにはできない。
私小説で食っているプロは多くない。

短歌を書けるAIは汎用だと難しいのではないでしょうか?
かと言って、短歌生成の専用AIや学習をすることはコストに対して効果がないです。
小説はLLMは文章生成の応用なのでいくらでも汎用AIが出てきます。

短歌の57577が持つ日本語のリズム感はAIが学習するにはいまの世代のLLMでは無理。
それぐらい日本語は難しい。
こっちは試していないですけど、英語でも詩で韻を踏みとかは難しいと予想します。
短歌はAIができない領域かもしれません。

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