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コッツウォルズの4週間(8-6)

雁の親子

第三週の一日目、今日は祝日で学校は休みだ。朝から近くのThe Parkに行ってみる。この公園はホームステイ先から徒歩で十分、毎週訪れていたがグロースターシャー州立大学と接していて、広々とした芝生の、あちこちにベンチが置かれ、自然のままの池もあり、ちょうど雁が子育て中で、すくすく大きくなるのが楽しみでもある。わずか数週間で親鳥とほぼ同じ大きさになる

群生しているツワ

から、すごい成長スピードだ。大学との境には大型のツワがたくさん自生している。どうやらこの国では食さないらしい。

Thai Family
タイ料理

火曜日は授業の後、タイ人シティパンおすすめのタイ料理店Thai Familyに行ってみる タイらしい飾りつけの落ち着いた室内、大小の象の飾り、一人でもほっとできる。タイ料理は日本人の口に合う。薄焼き卵で包んだタイ風焼きそばを注文する。帰りは、普段とは違うバースストリートを歩いてみる。バース市へ通じる道。普段は繁華街を通るが、この少しの商店が点在する道にも、繁華街にも日本で良く見る家電量販店やコンビニが一切ないのは不思議だ。
ホームステイ先にウクライナ人オクサナ、彼女が帰国すると次はスェーデン人ヤンが来る予定だ。原子力の研究者と言う。前もって言葉の準備をと、核物質の英訳をオクサナに尋ねておいた。そのはずだった。ところが実際ジリーに使ってみるとどうも変だ。私の聴き方が悪かったとみえて、お料理の材料ingredientになっていた。やはり楽せずに、言葉は自分で調べるべきだった。

スコーン

水曜日は学校帰りにユウコと待ち合わせて、有名店でスコーンを楽しむ。帰り道には本屋カフェに寄る。コーヒーを楽しみながら本選びできるのはありがたい。日本でも最近はできるようになってきたが。

ディズニーミュージカル美女と野獣

木曜日 今日は午後は学校近くのシアターでディズニーの「美女と野獣」のミュージカルをユキエ、ヒロミと楽しむ。その昔ジョージ三世が鉱泉が出るチェルトナムを保養地としてたびたび訪れていたことから、この豪華なシアターも建築されたそうだ。天井、壁という壁、まるで美術品並みの装飾が施されており、建物自体も見ごたえのあるものだ。チケット購入はクレジットカードを使えるが、一緒に行ったユキエは学生で使えないというので立て替えた。理由はわからないが海外に出るには複数のクレジットカードが必要と

Everyman Theatre

実感した。美女と野獣はおなじみのストーリーで英語が聞き取れなくても楽しめた。地方都市で毎日興業されるミュージカルを当日のチケットで気軽に楽しめるのはありがたい。

 
金曜日、今日はホストマザーのジリーの誕生日。きれいなものが好きで特に赤が好きな彼女に、迷わず赤だけのバラの花束を学校帰りに買う。とても喜んでくれた。夕方ジリーが部屋をノックした。今日の夕食はパブに行くから準備してと言う。コリンの運転で、車をだいぶ走らせて郊外のパブへ到着。建物の外には馬をつなぐ場所があった。遠い昔地方からロンドンへ向かう馬車はここで休憩し、馬たちも休んだ所。今でも面影が残っているとは伝統あるパブだ。馬たちが飼い葉おけから干し草を食み、水を飲む様子が想像できる。店内は薄暗い石造りの建物だ。伝統のメニュー、フィッシュアンドチッ

my host parents

プスを選ぶ。日本でもロンドン風パブで、フィッシュフライにビネガーをかけるのは知っていたが、ソースはグリーンピースから作ったものが本物とは初めて知った。店の外で写真を撮る。こんな郊外まで夕暮れ時にドライブと夕食とは思いがけない嬉しい日となった。そのあと丘の上まで移動。はちみつ色の石積みの壁で囲われた展望台のような場所。夕暮れ時の薄明りの中、コッツウォルズの広々とした丘陵地を取り囲む尾根から見下ろす。ここはバードリップ。この尾根が鳥の

Birdlip

くちばしのようだから、名付けられた地名なのだろうか。巨大な円形の丘陵地の草原の中に、たくさんの民家があり灯りがともりだす。自然と暮らす人々を思い、遠くまでやってきて、この景色を見られてしみじみ良かったと

Birdlip

思う。ホストペアレントに心から感謝した。 
誕生日のお祝いに息子さん一家がやってきた 私も仲間に入り、七歳と五歳の女の子、その母親レイチェルとおしゃべりする。彼女は気さくなとても素敵な女性で話が弾んだ。七歳の女の子はルビー、小さいのにアイポッドを使いこなし、当時イギリスで流行っていたブルーノマースを教えてくれた可愛いおしゃまさん。五歳のコニーとは折り紙やお絵かきを楽しむ。

レイチェル・ルビー・コニーと

その日から早十年、ルビーからは三年前、コニーからは今年Facebookで友達申請が届いた。高校生になったのだ。この十年ですっかり美しい女性に成長していて驚いた。レイチェルが毎年私の発表会ライブの動画を彼女たちに見せてくれていたとは言え、たった数時間の出会いで、距離や時間を超えこれからは彼女たちとも交流できるとは、うれしい展開だ。

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