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ある嘆き。名作映画『男と女』の続々編が2020年1月に日本公開されたんだってさ。

1966年にフランスで制作された『男と女』という映画がありまして、大人の恋を描いた名作です。

これ、もう、ほんとに名作で、すべてが完璧。

監督はクロード・ルルーシュ。

撮影当時無名でスポンサーが付かず、自主製作になったそうですが、驚くほどの成功を収め、カンヌ映画祭グランプリも獲得しました。

主演はジャン=ルイ・トランティニャンとアヌーク・エーメ。

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このアヌーク・エーメが美しいったらありゃしない。

初めて見たのは子どもの頃ですが、それ以来「美しい人」を思い浮かべようとするとアヌーク・エーメが出てきちゃう、っていうくらい美しいっすね。


そいで、また、声がね、アヌーク・エーメの声がいいんすよ。甘くて切なくて。


それから、音楽が素晴らしいです。数々の名高い映画音楽を作り出したフランシス・レイの傑作です。


というわけで、映画『男と女』、ほんとに素晴らしい作品です。

物語というよりも、イメージっつーか、居心地っつーか、見心地っつーか、そーゆーものが比類無く素晴らしいです。名状しがたい余韻に浸れます。


しかし問題は、

なんかルルーシュがこの映画に思い入れがあるのか、作ると儲かるのか何なのか、後日談を映画にするんすよ。

1986年に『男と女』の続編、主人公二人の20年後を描いた『男と女II』ってのが公開されました。

これが、つまんねーんだ(T_T)

なんかね、『男と女』っていう素晴らしい映画の余韻を台無しにするっつーか。悪いけど、やめてくんないかなぁ、と思いました。


そしたら、さらにその次の続編が公開されたんですってよ。奥さま。2020年1月に。


さすがにね、53年も経て監督も主演俳優もご存命で映画作れるってのは喜ばしいことだとは思います。作曲のフランシス・レイは2019年に亡くなったそうで本作が遺作だそうですが、ま、53年も経って皆さんでまた映画作れたってのは喜ばしいことです。ほんとに。

ですがね、、、それでもやめてほしかった(T_T)

見てないですけどね。

見てないですけど、

なんつーかな、『男と女』っていう名作映画は、あるイメージを描いて名作になったわけですよ。

物語じゃなくね。

ある男と女の人生がまじわったきらめきみたいなもの、その一瞬みたいなものをフィルムに落とし込んだのが素晴らしかったんじゃぁないすか。


だーから『男と女』っていう匿名性の高いタイトルなわけですよ。例えば『ジャンとアヌークの物語』とか『甘い生活』みたいな個人的なもの、何かを規定するものではなく、『男と女』っていう漠然とした、幅の広いタイトルが付けられたわけでしょ?


つまりさ、『スター・ウォーズ』と違うんすよ。後日談なんて必要ないし、そんなの元々のイメージを損ねるだけでしょ。


いや、見てないけどね、見てないけど、誰かフランス語堪能な方、ルルーシュに伝えてくんないかな。『男と女』っつータイトルとコンセプトをもう使わないでほしい(T_T)って。同じ出演者で、別の物語として作ってくんないかなー(T_T)