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AIと創作

物語を作る仕事はAIに取って代わられるか?という議論がある。

道具は内容に影響する。手書きの文章とPCで打った文章が微妙に違うように。アナログで描いた絵とデジタルで描いた絵が違うように。

だから、AIなしで創作した時と、AIありで創作した時は、内容が変わるはずだと思う。その変わりようがどういうものかは私はよく分からないけど。

テクノロジーのもたらす生活の変化はゆっくりやってきて、変化してしまうと変化する前には戻れない。たとえば、スマートフォン(iphone)は当時ものすごいイノベーションだったけど、当時、携帯電話のデザインとしては「タッチパネルは邪道」なんて言われていたのだ。(※プロダクトデザイン学生の間で本当にそういう議論があった)

でも、そのタッチパネル式ディスプレイは世界を席巻し、もうそれがない世界には戻れない。「デジタル・デトックス」という生活があるけれど、それだってスマートフォンがあるから出来た言葉だ。

電子書籍の登場が「紙の本」というレトロニムを産んだように、AIの登場がなにか「AIなしの創作」的な言葉を作るかもしれない。それはもちろん、AI登場以前の「AIなしの創作」とは異なっていると思う。

でも、スマートフォンの登場が人間という存在を大きく変えた訳ではないように、AIの登場が創作という営みをそれほど大きく変えるわけじゃないんじゃないかな、と思っている。

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