見出し画像

神さまは、いた〜前編〜

神さまの采配

何事にも傾向というものがある。
こと長く生きればその分だけ、検体ソースが増えていくので、その形が浮かび上がってくる。何事=人生と捉えた場合、私の場合の顕著な傾向、それすなわち「神の采配」なんだろう、か。

(無駄に)危機一髪

小さなところでいくと、楽しみ度合いに比例して、必ず何かしらの横やり的ハプニングが絡んでくる。うっかりして何かを忘れた、盗まれたなど、自己責任的要因(防ぎようがあるもの)ではなく、斜め上から刺さってくるような「今、なんでソコ!」といった、もはや想像のおよばない、不可抗力的なアクシデントに見舞われがちなのだ。

数年前、フランス旅行の一週間前(GW直前の4月28日17時すぎ)に「なんか具合悪い…」となり、休み前で早じまいする病院の中、一軒だけ開いていたクリニックで検査をすると、「インフルエンザキットが1組だけ残ってました。…えっと陽性ですね。しかも、A型、B型同時陽性です。私も初めて見ました」。ちなみに同時罹患であっても為す術はなく、「急激に高熱が出て、さらにだらだら熱が続くだけです」とのこと。フ、フランスなんですけど…泣。結果として、気合いで治した(ことにした)んだが、まったく要らぬアクシデントだった。その他、進学の引っ越しの帰りに死にかけたり、新婚旅行で火事にあったり、書き出したら切りがない。本題に入らねば。

紅葉、、、見に行かねば!

紅葉シーズン真っ盛り。連日、友人らのSNSは紅葉一色。我らがくじゅう連山・大船山も美しく色づいているではないか。「見に行かねば!」いつになく血が騒いだ(←ここがトリガースイッチ)。

普段、利用している長者原登山口、牧ノ戸登山口、𠮷部登山口は、紅葉シーズンでとにかく人が多い。せっかくなら、いつもと違うルートでいきたいし(やる気①)、最近山デビューしたFちゃんにも最高の景色を見せたいじゃん!(やる気②)、、、今、振り返ると危険因子だらけ。やる気を見せると、私担当の神さまは黙っちゃいない。傾向が分かっているのに、対策がなってないではないか、私。

早朝というか深夜、福岡を出発して、くじゅうの南東部(久住町の奥)に位置する今水登山口を目指す。約3時間、順調に車は進んだ。入念な下調べによると(私はこう見えてかなり細かい)、道が細く、駐車場台数も少ない(よって早めに出発した)ことは頭に入っている。すると二股の分かれ道になった。Googleの道案内どおりではあるが、“念のため”手前の駐車場にいた登山者に「駐車場はこっちでいいですかー!」と訪ねた。すると指が指された方は左の道。「ありがとうございました!」と進んだところで、あれ?Googleの道から逸れてるよね…Uターンして正規ルートに戻ろうと思うも、「こんな道、あっていいの!?」と思うほど、ひたすら一車線のぐにゃぐにゃ道。対向車が来たら最後。もはや、上るしか術はない。

2kmほど上っただろうか。私たちの目の前に、ドーン!しっかりフェンスが張られ、完全な行き止まりである。フェンスから100mほど下がったところに3台ほど駐められるスペースがあったよね。1台駐まっていたけれど、2台分あれば駐車ないし、Uターンできる。一車線林道をバックでそろそろと進んだ。さ、駐めるぞ、切り返そうとした瞬間、

ゴンッ!ガリガリガリガリ・・・!

一部、土砂が流れ込んで見えていなかった側溝にゴンッ。やっちまった…脱輪だ。言い訳がましいが、私はこれまでの人生において、かすったり、ぶつけたりの経験は一度もない。ましてや脱輪なんて、私の文字にはない!「はい、詰んだ・・・」パニックというより、血の気がすぅ、、、っと引き、頭の中が真っ白になった。

さて、どうするか。とりあえず、側溝から抜け出すにはどうしたらいいんだ。「そう、このためのジムニー(四駆)たい!」と気を取り直し、Fちゃんに誘導をお願いし脱出を試みる。「えっと、四駆ってどうやって入れるのさ…これでいいかな!前進!」

ゴゴゴゴゴ、、、キュルキュルキュル!!!

鈍い音のあと、後輪が空を切る音が響いた。だめだー。抜け出すには側溝が深すぎるし、車底を削るイヤな音がする。そうこうしていると、2台空きのうちの1台に車が駐まった。やばい、残すは1台のみ。うまく出られたとしても、ここで駐車ないし、Uターンしないと、2kmの一車線をバックで戻らねばならない。100mのバックでこれなのに、2kmって…。

スマホを見ると、電波が1本立っている。2本立つところまで移動し、夫に電話をするも「サポートサービスに電話するしかないちゃない」とのこと。連絡がうまくついても、ここに到着するまで2時間。20分ぐらいですんなり作業が終わっても、そこから2kmバックして分岐まで1時間…最短の解決でも昼はゆうにすぎるだろう。登山どころか、元気も残っていないはず。何より、初くじゅうでこんな山奥まで連れてきてしまったFちゃんに申し訳なさすぎる。神さま、どうか、どうか、たすけて。泣

続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?