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不登校への対応は「学校へ行かなくていいよ」だけが本当に最適解なのか?

先日、不登校対策について会議がありまして、行政の対応はどこへ向かっているのか?と、ちょっと思うところがあったのでまとめてみます。

実はうちの息子も、今年の2学期後半から、朝学校へ行けなくなりました。正確には、突然病的なまでに起きられなくなってしまった感じで、どれだけ前日に早く寝ようが、本人が数ヶ月前から楽しみにしていた大切な日だろうが、とにかく起きるのが一苦労。

だいたい、9時過ぎくらいになると少し目が覚めてきて、10時くらいまでには何とか行ける状態になってきます。
担任の先生がとても理解のある方で、注意はしながらも本人を否定するようなことはせず、行けなかったことを責めすぎることもしないでいてくださったので、なんとか、本人は毎日遅刻しながらも通ってきました。

という私自身も、小5のときには一年間ほぼ全て欠席のひきこもり登校拒否(当時)経験者でもあります。

で。
昨今、不登校対応は基本的に「学校行かなくていいよ」が正しいとされているんですが、これって言うほど保護者にとっては簡単なことじゃないんですよ。

もちろん、理論的には理解できるんです。
でも、目の前で布団にくるまって寝ている我が子に、毎朝優しく「じゃ、おやすみしようね」って、穏やかに声をかけられる親がどれだけいるんでしょうか。
ちゃんと他の子達と同じように学校へ行ってほしいと親が思ってしまうのは、当然だと思うんです。

このまま休み続けたら、この子の将来はどうなってしまうのか?と考えない親はいないでしょう。
特に中学生なら、内申のことも頭をよぎります。
ちょっと頑張ってでも学校へ行ってほしい!と思ってしまうのも、親心です。

実際に、私自身も教育に携わる仕事をしていながらも、「起きなさい!」と息子を怒鳴りつけ、家から引き摺り出そうと思いましたし。

支援者が「行かなくていいよと伝えてください」と言うほど、家庭内はそう簡単にいかないんじゃないでしょうか。

ですので、これからの不登校支援のキーになるのは、本人の安心感だけでなく、保護者の不安を取り除くことなのかなと思います。
保護者が安心できなければ、家の中が子どもにとって安全な場ではなくなってしまいます。
保護者がどーんと構えていられれば、子どもも焦ることなく心と体を休めることが出来ます。

だから、子どもに「学校行かなくていいよ」と言う時には、

保護者に向けても、
たとえばオンライン授業やフリースクールに参加すれば出席扱いにするとか、
提出物をきちんと出して定期テストを受ければ、4や5の評定もらえるといった内申面や、

今は学校に行けなくてもこう言う段階を踏めば復帰できる子もいるとか、
学校には通わなくてもこんなふうに仕事をして生きていけるとか、
明るい未来を実例ベースで見せてあげられるといいのかもしれません。

たぶん、いま行政が思っている以上に、出来れば学校に戻りたいと思ってる子もいるし、保護者に至っては多くの方が戻って欲しいと願っているはずです。

だから、学校以外のところでサポートすればいいよね!(これは受け皿として超大事なのは言うまでもないですが)だけではなく、希望する家庭には学校への復帰も、ある程度目指して動いて貰えると、親も少し未来に希望がもてるんじゃないかと思います。

そういう意味でも、「学校へは行けるけど教室に入れない」段階の子に対しては、最近少し増えてきている学校内フリースクールは、親の安心感としても、本人が「学校へ行けない」という罪悪感を感じにくいという意味でも、ひとつの有効な手段になるんでは無いかと思います。
学校の空気感から完全に疎外されないので、気が向いたら教室を覗いてみたりも出来ますし。

やっぱり、元気に「行ってきマース!」と学校に行って欲しいのが、本心なんですよ。

…少なくとも私はね。

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