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おもしろい日本語のオノマトペ!

おもしろい日本語のオノマトペ!


オノマトペ(onomatopée)とは自然界の音や声、物事の状態や動きなどを音で表した語です。日本語のオノマトペには擬音語と擬態語があります。日本語はオノマトペの種類が大変豊富(5,000以上)で、オノマトペなしでは日常会話がかえって不便になってしまうくらい日常的に使われています。

日本の漫画やアニメが好きで、日本語に興味を持った学習者は多くいますから、オノマトペは学習者にとっても関心のあるものの一つです。もちろん世界の言語にもオノマトペはありますが、擬音語はあっても擬態語のバリエーションが少なかったり、音感覚が言語によって違ったりするので使いこなすのはなかなか難しいようです。

擬音語・・・音を表す言葉(実際に音が出る)
<例>猫の鳴き声は「ニャー」、ドアを軽くノックする音は「トントン」、ドアが閉まる音は「バタン」

擬態語・・・様子を表す言葉(実際に音は出ない)
<例>クリスマスのイルミネーションは「ピカピカ」、星は「きらきら」、暑い夏の太陽は「ギラギラ」

オノマトペとの親和性が高い日本語


オノマトペは漫画や小説、または商品のキャッチコピーなどでよく見かけますが、文字で見ると目を引き、音にすれば耳に残ります。ダイレクトにイメージを伝えることが可能になるだけでなく、オノマトペによって細かい感情や動きなどのニュアンスが付け加えられると、文章に生き生きとした臨場感も出てきます。オノマトペは論理的とは対極にある情緒的な言葉であり、このもやっと感が非常に日本的だと言えるでしょう。

また、オノマトペは非常に造語力があります。ある一定のルールを使えばいくらでも新しい言葉を生み出すことができます。最近の若者言葉である「ぴえん」や「ぱおん」もオノマトペですね。とは言っても、なんでもオッケー!というわけでもなく、日本語を母語とする私たちの間にはある音に対する共通のイメージから作られています。このイメージ、感覚的なものなので、日本語を学ぶ学習者にとっては難易度が高いですね。

日本滞在中にあまりお世話になりたくないとは思いますが、病院での「痛み」の伝え方などは難しいのではないのでしょうか。ピリピリ、ヒリヒリ、キリキリ、チクチク、ジンジン、ズキズキ、ガンガンなどオノマトペは、表現の違いで痛みの原因が筋肉なのか神経なのかなどがわかるので大変有効な伝達方法だそうで、注目されています。でも、いったい何が違うの???と言う感じですよね。こういった生活に関わる言葉はぜひロールプレイ等の中で取り扱っていきたいです。初級で「〜んです」を導入するあたりから「どうしたんですか?」「頭がガンガン痛いんです」などと少しずつ紹介してみてはいかがでしょうか。

この音の感覚をどう身につけていけばいいのでしょうか。>>>続きはブログ記事をご覧ください。

オノマトペをレッスンに取り入れよう!

中級・上級レベルのクラスでオノマトペをレッスンで取り扱うときは、漫画やアニメなど視覚や聴覚に訴えるもの使うと良いと思います。ただ、授業でアニメや動画を見せたり、漫画のコピーを配布したりする場合、著作権への配慮が必要になってきますので、注意してください。

フリーで使えるものの一つに、J F(国際交流基金)の『エリンが挑戦!にほんごできます。』の中に「マンガで覚えるオノマトペ」というコンテンツがあります。同じく、JFから出ている「アニメ・マンガの日本語」というサイトも便利です。映像と実際の音と文字でオノマトペを楽しく学習することができますので、レッスンに取り入れてみてはいかがでしょうか。


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