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【勉強帳】自然関連財務情報開示タスクフォース -サクッと編-

基本情報

「自然関連財務情報開示タスクフォース」ってなに?

「自然関連財務情報開示タスクフォース」は、
民間企業や金融機関が、自然環境の保全と経済活動の両立するためのフレームワークまたはその国際組織のことを指します。
英語にすると「taskforce on Nature-related Financial Disclosures」で
「TNFD」と略されます。

▼自然関連財務情報開示タスクフォースのこれまでの動き
2021年6月:イギリスをはじめとする国際的なグループによって設立
2022年3月:フレームワークv0.1公開
現在   :フレームワークv0.4が公開
2023年9月:フレームワークの最終版が公開予定

▼公式サイト



どんな組織?

金融機関、企業、市場サービス プロバイダーなどの、
40人の上級管理職で構成されています。
日本では農林中央金庫さん、MS&ADインシュアランス グループさんが構成員となっているようです。


なぜこの取組が必要なのか

まず、大前提として、世界経済は自然が支えています。
しかし、「太平洋な気象現象と生物多様性の損失の影響」は
今後2-5年間で世界にとって重大な脅威だと発表されています。

▼世界経済フォーラムの「グローバルリスクレポート2022」

その取り組みに賛同し、日本も参画しています。


取り組むこと

フレームワークで企業を「評価」

フレームワーク(枠組み構築)を使って、企業の「自然資本」情報を開示するために、自然資本が企業の業績にどのような影響を及ぼすかを”評価”します。

企業が持つ「自然関連の問題」はこの4つを軸に評価されます。

TNFDの、4つの概念的な構成要素「自然関連の問題」
1.自然関連の依存関係
2.影響
3.リスク
4.機会

https://framework.tnfd.global/introduction-to-the-framework/executive-summary/v04-beta-release/

評価方法は「LEAP(リープ)アプローチ」

LEAPは、自然関連のリスクと機会の管理のための「4つの統合評価プロセス」のこと。これらを通して、開示の準備を進めます。

Locate:自然との接点を発見
Evaluate:依存関係と影響を評価
Assess:リスクと機会を評価
Prepare:報告する準備

https://framework.tnfd.global/introduction-to-the-framework/executive-summary/v04-beta-release/

LEAPに取り組む際は、「3つの包括的な考慮事項」を念頭に置くことを推奨されています。

▼3つの包括的な考慮事項
◎ユーザーが開始前に評価の範囲を慎重に検討すること
◎アナリストと作成者は、関連する利害関係者との相談を推奨
◎企業のリスク管理プロセスと報告および開示のサイクルに沿って、事業拠点、企業の事業分野、金融機関の投資ポートフォリオと資産クラス全体にわたる反復プロセスとして設計

▼お手本はこちら(英語)


TNFDを取り入れた、2つの未来像

1)企業や金融機関の、自然に関連したリスクと透明性を向上できる
2)企業の投資家などのステークホルダーが、自然をより持続させながら発展するビジネスモデルやソリューションを選択・投資する傾向が強くなる


日本の事例

TNFD自体のフレームワークの最終版は2023年9月に公開予定なのでまだ本格的なものはないようだけど、キリンさんがTNFDのLEAPアプローチ」を踏まえた開示をテスト的に始めているよ。

▼キリンホールディングス「環境報告書」2022を公開
~キリンならではの統合的アプローチに基づき、新たに「TNFD LEAPアプローチ」を踏まえた自然資本の試行的開示と、「TCFD新ガイダンス」に基づいた開示を実施~https://www.kirinholdings.com/jp/investors/files/pdf/environmental2022.pdf

参照:
自然関連財務情報開示タスクフォース
TNFDとは?背景やTCFDとの違い、対応事例について知ろう
宙畑丨生物多様性が理解できない企業は生き残れない? 2023年からスタートする国際的な「TNFD」とは


私のアクション

とりあえずざっくりと全体の概要が掴めたので、最新のニュースはGoogleアラートにワード登録して最新情報を掴めるようにしています。
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ではまた!
お相手は、小さなトリコを大切にするコトリコの江藤梢でした。


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