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食べ盛りのばあば〜睦ぶ夫婦〜

大阪きっての飲食街「天満」にて、まさに食い倒れてしまわんばかりの勢いで、ばあばは「串カツが食べたい、刺身が食べたい」と店々を梯子する。

首の向きを変えれば欲しい料理に出会える街で、二十代の私が先に音を上げるほどの健啖家であるばあばはあちらこちらへ跳ね回る。

三年の寝たきり生活の果てにじいじが逝って以来、ばあばはよく旅行をする。「動けるうちに色々したい」が口癖だ。今回もこうして孫娘の下宿先に遊びに来ている。

解放された様に遊ぶばあばを見て嬉しい反面、なんだかじいじは邪魔者だったと言われてるみたいでちょっと寂しい。

その時、ばあばの薬指にチラッと光る指輪が見えた。

じいじは「うまそうに飯を食べるところがめんこい」と、ばあばを褒めていたね。

ばあばは、じいじがかわいいと言ってくれた姿を沢山天国に見せようとしているのかも知れない。

分かった。もうとっくにお腹いっぱいだけど、今夜はとことん付き合うよ。

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