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桜の蕾が終わる前に

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初の連続短編集。 ドラマを見る感覚で想像しながら読んでもらえたらです。
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After story

あの頃から何回カレンダーを捲り

カレンダーが変わってきたことだろう。

チクタクと時間は流れ今日が終わる。

毎年の桜のニュースをまだ晴れた気持ちでは

みれていなかった。

ある日一件の不在着信。

留守番電話の録音を聞いてみる。

二人で久しぶりに会わないかとの連絡。

あまり久しぶりではないような感覚だ。

あの時の待ち合わせ場所で待っている。

いざ着いてみると、三人が揃わなかった

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(第二話)なんでもない日

2人との出会いにより、僕の日常はいつもと違った。

グループ研修の時いつもあまりものだった僕は、

三人で組むようになった。

たまたま帰宅路が一緒だったため三人で帰るようになった。

当たり前が新しいものにどんどん塗り替えられた。

少し時が経ち、鶯から蝉の鳴き声に変わった頃。

僕らは変わらず毎日のように一緒にいる生活を送っていた。

なんでもないような日になんでもないような帰り道で、

僕ら

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(第一話)桜の咲くあの頃を思い出して。

今年も当たり前のように桜の蕾が膨らみを覚える。

僕は思い出したくもないような記憶を思い出してしまう。

出会ったのは数年前の少し暖かみを感じ始めたあの時。

「入学式」と書かれた大きな看板の横を通った時、

1人ぼっちで歩く僕の横を走る2人の女の子。

凄く明るくて僕とはかけ離れた世界にいるような2人だった。

教室のドアをあけ自分の机の位置が書かれた黒板を確認し、

大人しく座って時間が来るの

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