マガジンのカバー画像

皮膚科に行ったらなんだかんだで胃がんが発見された父の話

14
父が皮膚科に行ったところ、いろいろあって胃がんが発見されたので、その顛末を書きつづってみました。ちなみに各話の副題はわたしの好きなゲーム音楽の曲名から借用しています。
運営しているクリエイター

記事一覧

(14)あとがき~Antidote

「事実は小説より奇なり」という使い古された決まり文句がある。予想もしなかった現実に直面し…

こと
4年前
8

(13)酒は百薬の長にして百毒の長~Live over Again

退院から約2週間後、父はA病院で術後3度目となる内視鏡検査を受けた。検査は今回も小一時間…

こと
4年前
4

(12)節制は続く~Logistical Support

退院の朝がやってきた。病院で朝食を終えた父から電話がかかってきたので、わたしたちは車でA…

こと
4年前
7

(11)確定診断~Coffee with bullet

術後2度目の内視鏡検査を終えると、父は明らかに退屈な様子を見せはじめた。好物のコーヒーは…

こと
4年前
5

(10)入院生活~Martial Law

手術は無事に終わった。ただN医師の話では、もうしばらくは出血に注意する必要があるそうで、…

こと
4年前
5

(9)手術~AM9:00

手術日は朝から慌ただしかった。諸事情により前日に入院できなかったため当日の朝一で入院、午…

こと
4年前
4

(8)作戦会議~Zusammentreffen

年が明けた。元日から某巨大企業元CEOの国外逃亡が世界中を騒がせていた。一方、わが家の正月は例年とそこまで変わりなかった。変わった点があるとすると、父はこの数年、仕事の都合で年末年始にまとまった休みを取れなかったが、今年は正月休みを十分に取れることになった。このため今年は元日から家族で初詣に出かけるなど、のんびりとした正月を満喫できた。それと同時に、いつも通りに正月を迎えられるのは決してあたりまえではないという実感がしみじみとあった。 正月休みが終わり病院が通常通りの診療を

(7)内視鏡再び~Mission to the deep space

正式に胃がんの診断が下ってから数日後、2度目の内視鏡検査がさっそく実施されることになった…

こと
4年前
5

(6)続・検査のゆくえは~まけない心

胃カメラの画像と組織検査の結果をふまえ、あらためて父に胃がんの診断が下された。続けて、こ…

こと
4年前
5

(5)検査のゆくえは~敵との対峙

運命の一日がやってきた。わたしたち一家はA病院へと乗り込んだ。予定の時刻よりずいぶん早く…

こと
4年前
6

(4)告知~狂った歯車

内視鏡検査の2週間後、父はA病院でY医師から結果を知らされた。そこにはたまたま母も同席して…

こと
4年前
4

(3)検査、検査、また検査~Great Tribulation

父は健康診断の結果を携え、再びA病院でY医師の診察を受けた。さっそく、印のつけられていた項…

こと
4年前
4

(2)健康診断への誘い~勇気ある前進

皮膚科で無事イボを取り除いた1か月後、父はA病院の内科で診察を受けた。これが例のかかりつ…

こと
4年前
3

(1)すべてはイボからはじまった~不思議なお話しを

令和最初の夏は7月中旬に入ってもまだ訪れる気配を見せなかった。梅雨が例年よりも長引き、暑さは控えめ。7月がこんなに涼しいのは何年ぶりだろう。今年は冷夏なんじゃないか。世間ではそんな声すらささやかれはじめていた。もっともこの状況は7月の最後に梅雨が明けると一変、8月からは例年通りの猛暑が幕を開けた。物語のはじまりは、そんな7月のある日までさかのぼる。 「『親の顔より見た光景』とか言うけど、そうはいってもリアルに親の顔を見た回数に勝てるものもそうないよな」。 そんなわけのわから