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【インターンファイルvol.2】セネガルの日常から多くの学びを得た

côté のインターン生に取材するインタビュー企画「côté インターンファイル」。今回インタビューさせて頂いたのは、武藤幸さん。武藤さんのご活動内容や、インターンを通して得た気づきをお伺いしました。

ジュエリー職人モハメドとの写真

武藤さん
東京都出身。幼い頃からアフリカに興味を持っており、「サハラ砂漠の遊牧民」トゥアレグの研究をしている。
学部4年の交換留学でモロッコに5カ月滞在したのち、セネガル・ダカールcôtéにて2カ月間のインターン業務を行う。


インタビュー本文

côtéのインターンを決めた理由

私はcôtéのインターン生の中では少し特殊なパターンだったと思います。côtéで扱うアパレルや、写真に興味があるというよりも、トゥアレグジュエリーを作成しているトゥアレグ人そのものに興味があって、このインターンに参加したからです。

トゥアレグという民族を知ったのは大学1年生の頃でした。大学の授業でアフリカのウラン鉱山開発を巡る環境問題を学んでいた際に、そこで働いている民族の一つとしてトゥアレグが紹介されていました。
「動き回る遊牧という性質が、国境の定まった近代国家と合わず、各国内で周縁化された存在になっている」「国内での社会的地位の低さから、武装諸勢力への加入をする者も多くいる」など、負の連鎖が起こっていることを知りました。

そこで、文化人類学という、その民族の伝統・生活などの文化を見ながら、人類の普遍性を探るという学問を通して、移動する人々と国境の未来を考えたいと思い始めました。

とはいえ、日本では文献などでしかトゥアレグに関しての知識は得られず、彼らの居住域であるサハラ砂漠は、現在危険な地域として渡航中止勧告が出ており、トゥアレグ人に直接会うことは難しい状況でした。

そんな中、côtéではトゥアレグジュエリーを扱っていて、セネガルに住んでいるトゥアレグ人に直接オーダーしているということを知り、これは行くしかないと思いました。

アフリカとの出会い

私は幼い頃からチョコレートが好きでした。小学生の頃、テレビ番組で「チョコレートを食べたことのないカカオ農園の子どもたち」の特集を見て、児童労働と、世界に存在する大きな格差のシステムを知りました。
そこからカカオ輸出量世界一のコートジボワールという国を知ったりして、アフリカに興味を持ち始めました。

中学時代には「世界一寿命の短い国」と銘打たれたシエラレオネという国に衝撃を受け、世界の不平等をどうにかしたいと考えるようになりました。

大学では”日本一アフリカに近いサークル”を謳うインカレサークルに入り、初めての勉強会ではブルキナファソについて学びました。

今振り返ると、強い興味を持ったのはどれも西アフリカの国でした。
西アフリカ・セネガルでのcôtéインターンを見つけたのも、何かの縁だったのかもしれません。

インターンをしつつ、研究をしつつ

côtéのインターンでは、主にSNSの更新や、文章を書くのが得意なので記事の作成などを行っていました。

côtéのInstagramアカウント:http://instagram.com/cote.dakar/

朝起きてcôtéのInstagramとTwitterを更新して、その後小林さんと一緒に布の買い付けやテイラーさんへの依頼、トゥアレグジュエリーの進捗確認などをして、ダカール中を動き回りました。

トゥアレグジュエリー職人

トゥアレグジュエリーの進捗確認では、ジュエリーを販売しているトゥアレグ人の元へ行きます。
オーナーさんと職人さんがいらっしゃって、小林さんが職人さんとアクセサリーの進捗確認をしている間に、私はオーナーさんにトゥアレグに関する様々なことをインタビューしていました。

トゥアレグはサハラ砂漠という広大な範囲を居住域にしていました。現在はアルジェリア、リビア、ニジェール、マリ、ブルキナファソの5か国にまたがった地域となっています。

côtéでジュエリーを依頼しているトゥアレグ人たちは、ニジェール出身の人たちです。
日本人がニジェールに行くことは、危険も伴うため容易ではありません。
オーナーさんが話してくれる故郷のことや、トゥアレグに関することは、直接トゥアレグの住んでいる場所に行けない私にとってはとても貴重で価値のあるものでした。

現地スタッフとの関わり

côtéは、日本食レストラン「和心」の建物に併設されています。
業務が終わった夜の時間などは、和心の厨房にいることが多かったです。
日本人のスタッフの方ももちろんいますが、現地スタッフも多く働いています。

和心スタッフたち

セネガル人だけでなくギニアやコンゴ、モーリタニアなど隣国から出稼ぎとして来ているスタッフもいます。
そのため、厨房ではフランス語だけでなく、セネガルの現地語であるウォロフ語や、プル語などが飛び交っており、非常に多様な文化の入り交じる場所となっていて興味深かったです。

また、彼らの多くはイスラーム教徒です。滞在期間がちょうどラマダーン(断食の期間)と被っていたので、朝から飲まず食わずの断食に挑戦して、日没と同時に拍手が巻き起こる、なんていった体験もしました。

お昼ご飯は交代でみんなの分を作ります。西アフリカ各地の現地料理を食べることができて、とても楽しかったです。

業務外での学くの学び

côtéの業務以外でも、小林さんが行くところに色々付いていきました。
例えば和心の魚の買い付けで海岸の魚市場に行ったり、在セネガル日本人の集まりなどです。

魚市場ではそこに暮らしてる人たちの生活を垣間見ることができたり、在セネガル日本人の集まりでは、色々な理由や志で頑張っている方たちとお話しすることができました。
自分が将来海外で働くことになったら…、といったことを考えるのに、多くの学びがありました。

また、セネガル滞在中に隣国であるガンビアに渡航しました。セネガルとは異なる通貨・公用語が使用されているガンビアに行ったことで、同じアフリカ/西アフリカといえど違いが大きくあるんだということに気づきました。

ガンビアで活躍する国連職員の日本人の方とお話しする機会をいただき、支援とは、発展とは、といった側面から重要なことを教えていただきました。

セネガルの経験を生かして、将来へ

セネガル滞在の前に5か月間、モロッコに滞在していました。そこでもトゥアレグ研究を軸に勉強をしていました。

セネガルではトゥアレグに関することを学んだことはもちろん、”セネガルでの暮らし”という側面でも、現地スタッフとの関わりや町の人との交流を通して、多くの言語化しきれないことを学びました。
4月からは日本に帰国して、卒業論文の執筆にあたる予定です。

今回の滞在を生かして、大学院進学や将来を視野に入れたトゥアレグ研究をしていきたいと考えています。
また、必ずセネガルに戻ってきます!

インターン生募集中!

 côtéでは、セネガル・ダカールにて一緒に活動してくれるインターン生を募集しています。
自分の得意なこと、新しいことを始めてみませんか?
少しでも興味があれば、お気軽にご連絡ください!

詳細はこちらのnoteから


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