6. 少なくとも学校教育の初期においては,年齢よりもむしろ学校教育への曝露が屈折の発達の主な要因のようである

Exposure to the Life of a School Child Rather Than Age Determines Myopic Shifts in Refraction in School Children

Ding X, Morgan IG, Hu Y, Yuan Z, He M. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2022 Mar 2;63(3):15. doi: 10.1167/iovs.63.3.15. PMID: 35289844; PMCID: PMC8934557.

目的:就学児童の近視の有病率は,年齢,学年とともに増加する。本研究の目的は加齢と学年が近視に及ぼす影響を区別することである。
方法:1年生(2009年のベースライン時706名,平均年齢6.56±0.29歳,範囲6.00~6.99歳,男子55.5%)を2012年まで追跡調査した。調節麻痺下等価球面値(SE)は毎年測定した。
結果:各学年のサンプルは,誕生月に従って3つのブロック(4ヶ月齢毎)に分けられた。各学年において年齢幅は1歳であったが,年齢ブロック間のSEに有意差は認められなかった(すべてP>0.05)。グレード2(2年目)の最年少ブロックでは,グレード1の最年長ブロックと比較してより近視性のSEが観察された(差,-0.36±0.08D;P<0.001)。同様に,グレード3の最年少ブロックではグレード2の最年長ブロックよりも近視SEが大きく(差,-0.50±0.10D;P<0.001),グレード4の最年少ブロックではグレード3の最年長ブロックよりも近視SEが大きく(差,-0.82±0.14D,P<0.001)観察された。
結論:少なくとも学校教育の初期においては,年齢よりもむしろ学校教育への曝露が屈折の発達の主な要因であるようである。この時期に,教育的プレッシャーの軽減と屋外での時間の増加を含む介入を行うことで、その後の近視の発達に大きな影響を与える可能性がある。

※コメント
予想通り視環境に影響するという結果でした。日本を含めアジアは,就学前も受験や塾などで学業に取り組む時間が多いので,myopia controlを早い時期から対策する必要があるかもしれません。

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