65. phoria adaptationは,versionと遅い融像vergenceシステムが相互作用する可能性がある。それは輻湊(vergence)融像幅の測定に影響を与える。
Comparison of symmetrical prism adaptation to asymmetrical prism adaptation in those with normal binocular vision
Santos EM, Yaramothu C, Alvarez TL. Vision Res. 2018 Aug;149:59-65. doi: 10.1016/j.visres.2018.06.004. Epub 2018 Jun 28. PMID: 29940191; PMCID: PMC6174079.
本研究では,左右非対称の水平プリズム(ベースアウトまたはベースイン)に対して,左右対称の水平プリズムが異なるphoria adaptationを引き起こすか明らかにすることを目的とした。正常な両眼視を有する16名の若年成人が,3Δベースアウトまたは3Δベースインの両眼プリズムフリッパーを用いた対称的phoria adaptation実験と,6Δベースアウトまたは6Δベースインの単眼プリズムを用いた非対称的phoria adaptation実験に参加した。実験はプリズムの刺激順序の影響を軽減するために無作為化された。
正常な両眼視を持つ被験者において,非対称ベースアウトのプリズム順応は,対称プリズム順応よりも有意に速かった。ベースインプリズムによる非対称phoria adaptationは対称phoria adaptationと有意な差はなく,よせ運動(vergence)の低速融像成分には方向性の非対称性(輻湊運動vs開散運動)があることが示唆された。このデータは,むき運動(version)システムと遅発性融像vergenceシステムとの間に潜在的な相互作用が存在することを示唆する。輻湊不全や開散不全/過多の患者は,両眼正常な対照群と比較して、左右対称と非対称のphoria adaptationに顕著な差異を示す可能性があるため,この結果は臨床的意義がある。またこれらの差は,融像幅のような臨床的な測定に関連するかもしれない(対称的(Risley prisms in a phoroptor),非対称的(プリズムバー))。
※コメント
融像幅を測定する際は片眼にプリズムを負荷する方法と両眼に負荷する方法がありますが,症例(状態)によっては測定方法が結果に影響するかもしれません。シノプトでの融像幅はまた違う解釈かもしれませんね。
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