259. disparity vergenceとphoriaの順応に及ぼす年齢の影響

The influence of age on adaptation of disparity vergence and phoria

Alvarez TL, Kim EH, Yaramothu C, Granger-Donetti B. Vision Res. 2017 Apr;133:1-11. doi: 10.1016/j.visres.2017.01.002. Epub 2017 Feb 17. PMID: 28192091; PMCID: PMC7198259.


正常な加齢過程がdisparity vergenceとphoriaの順応能力に影響を及ぼすかどうかを調べる研究はほとんど存在しない。49人の健康な被験者(20~70歳)から、客観的眼球運動追跡システムを用いてVergence眼球運動とdissociated phoriaを記録した。
ダブルステッププロトコルを用いて4度のvergence反応を修正した。vergenceのダイナミクスはピーク速度によって定量化された。phoria adaptationの実験では、両眼視下視標(正中線から40cm/8.44°)を5分間固視している間のphoria adaptionの大きさ(phoria levelの変化)と速度(大きさを時定数で割った値)を測定した。
phoria adaptionの大きさは年齢の関数として減少した(r=-0.33;p=0.04)。vergencピーク速度の適応能力とphoria adaptationの速度は、年齢による有意な影響を示さなかった(p>0.05)。このデータは、disparity vergenceシステムを修正する能力とphoria adaptationの速度は年齢に依存しないことを示唆している。一方、phoria adaptationの大きさは、正常な成人の加齢過程の一部として減少する。これらの結果は、臨床および基礎科学に示唆を与えるものである。なぜなら、眼球運動機能障害を持つ人において異常となりうるphoria adaptationの大きさの変化を評価する際には、年齢を考慮すべきであるからである。

※コメント
phoria adaptationの大きさ(幅)は年齢によって減少する。adaptationの速さは年齢と関連なし。

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