285. 家族性滲出性硝子体網膜症(FEVR)の小児の屈折状態と生体計測的特徴

Refractive Status and Biometric Characteristics of Children With Familial Exudative Vitreoretinopathy

Hu Y, Fan Z, Zhao X, Correa VSMC, Wu Z, Lu X, Zeng X, Chen L, Yu Z, Zheng L, He J, Zhang G. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2023 Oct 3;64(13):27. doi: 10.1167/iovs.64.13.27. PMID: 37850946.

目的：早期家族性滲出性硝子体網膜症（familial exudative vitreoretinopathy：FEVR）患者と健常対照者の生体計測的特徴を比較すること。

方法：この症例対照研究では、年齢、性別、等価球面値（spherical equivalent：SE）でマッチさせたステージ1～2のFEVR50眼と対照50眼を対象とした。眼軸長（axial length：AL）、white-to-white径（WTW）、角膜中心厚（central corneal thickness：CCT）、前房深度（anterior chamber depth：ACD）、水晶体厚（lens thickness：LT）、瞳孔径、硝子体腔深度、角膜表面前方および後方曲率半径（anterior and posterior corneal surface curvature radius：ACRおよびPCR）、水晶体表面前方曲率半径（anterior lens surface curvature radius：ALR）、水晶体表面後方曲率半径を含む生体パラメータをIOLMaster700を用いて測定し、ペアt検定を用いて症例と対照間で比較した。SEと生体測定値との関連は、症例と対照のピアソン相関係数（r）を用いて評価した。

結果：FEVRの症例とマッチさせた対照の平均年齢は7.6歳、48％が女性、平均SEは-5.3D（80％が近視）であった。コントロールと比較して、FEVR眼はAL（P = 0.009）、WTW（P = 0.001）、ACD（P < 0.001）、ALR（P = 0.03）は小さかったが、CCT（P = 0.02）とLT（P = 0.01）は大きかった。FEVR眼では、SEはAL（r = -0.79、P < 0.001）と負の相関を示し、ACR（r = 0.29、P = 0.04）およびPCR（r = 0.33、P = 0.02）と正の相関を示したが、対照眼では、SEはAL（r = -0.82、P < 0.001）およびLT（r = -0.34、P = 0.02）と負の相関を示し、ALR（r = 0.29、P = 0.04）と正の相関を示した。

結論：FEVRの早期段階では、眼球発達停止に類似したユニークな眼球形態を示し、FEVRのスクリーニングや早期発見ツールの開発に役立つ可能性がある。FEVR患者では近視が非常に多く、角膜曲率の増大と有意に関連している。

※コメント
平均年齢7歳で平均屈折が-5D程度という結果に同意です。
低年齢で近視を見かけたら、やはりこのような疾患を念頭に置いて検査をする事が大切だと思います。