125. 茶色の虹彩の患者では,ほとんどの小児がシクロペントレート1%点眼後30分で最大の調節麻痺を達成した

Time for effective cycloplegia in patients with brown iris

Al-Omari R, Atoum D, Khader Y, Al-Dolat W, Jammal HM, Al-Thawabieh W, Asseidat I, Seetan K. Strabismus. 2022 Mar;30(1):29-34. doi: 10.1080/09273972.2021.2022716. Epub 2022 Jan 6. PMID: 34989633.


我々は,茶色の虹彩の患者における,シクロペントレート1%を点眼した後,効果的な調節麻痺に必要な時間を評価することを目的とした。眼科外来に通院する平均(SD)年齢9.0(3.1)歳(範囲:3~16歳)の患者161人(322眼)を対象とした前向き分析研究。シクロペントレート1%を10分間隔で2回点眼し,1回目の点眼前と点眼後15,30,45,60分にNidek AR-1000オートレフラクトメーターで測定した値を用いて等価球面値(spherical equivalent:SE)を算出した。各時点での平均SEと60分後の最終値との差の95%信頼区間が±0.25D以内になった時点から,有効な調節麻痺の時間を決定した。その結果,すべての屈折異常カテゴリー(正視,遠視,近視)において,シクロペントレート1%の最初の点眼から30分後に最大の調節麻痺に到達することがわかった。ただし,高度遠視(SEが+6.0D以上)では少なくとも45分必要であることがわかった。さらに,10歳未満の被験者と10歳以上の被験者では,最大調節麻痺獲得に必要な最小時間に臨床的な有意差は認められず,両グループともシクロペントレート1%の最初の点眼後,最大調節麻痺獲得まで少なくとも30分必要であった。この茶色の虹彩の患者群では,ほとんどの小児がシクロペントレート1%点眼後30分で最大の調節麻痺を達成した。

※コメント
遠視が強い場合に最大調節麻痺効果の時間が遅延する理由については気になるところですが,臨床的には,遠視児には,45分以上間隔を空けた方が無難だなと再確認できました。
近視は30分でもいいのかもしれません。

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