254. 中国の3~16歳の児童・青少年における遠視予備能と近視シフトの標準値

Normative value of hyperopia reserve and myopic shift in Chinese children and adolescents aged 3-16 years

Wang J, Qi Z, Feng Y, Chen J, Du L, Yang J, Xie H, Zhu J, Zou H, He X, Xu X. Br J Ophthalmol. 2023 Sep 14:bjo-2023-323468. doi: 10.1136/bjo-2023-323468. Epub ahead of print. PMID: 37709362.


背景:本研究の目的は、近視のリスクを推定する有効なツールとして、遠視予備能と屈折進行の規範値を作成することである。

方法:学校および幼稚園から抽出した3~16歳の中国人児童・青少年を対象に、クラスター・サンプリングを用いて1年間の追跡調査を行った。すべての参加者は、視力、眼軸長、調節麻痺下自動屈折(1%シクロペントラート)などの検査を受けた。等価球面(spherical equivalent:SE)のパーセンタイルは、ラムダ-ミュー-シグマ(Lambda-Mu-Sigma:LMS)法を用いて算出した。年齢別の屈折進行と遠視予備能は逆算により求めた。

結果:3118人の参加者のうち、1702人(54.6%)が男児で、ベースラインの平均年齢は7.30歳であった。LMSによって推定されたSEの50パーセンタイルは、男児では3歳時の1.04Dから16歳時の-2.04Dまで減少し、女児では1.29Dから-2.81Dまで減少した。近視者の1年間の屈折の進行(0.81D)は、非近視者(0.51D)よりも大きかった。遠視予備者の(SEの)標準値は、3歳で2.64D(範囲:2.40D~2.88D)、16歳で-0.35D(範囲:-0.50~-0.17)Dであり、6歳で最大0.35D進行した。

結論:3~16歳の小児および青年における遠視予備能と年間近視移動量の年齢別標準値が示され、近視の同定と監視、および予防に役立つ。

※コメント
近視者の1年間の屈折の進行は0.81D、非近視者は0.51D。

年齢で屈折の変移を推定すると、
近視は
3歳時:1.04D(男児)、1.29D(女児)
16歳時:-2.04D(男児)、-2.81D(女児)
遠視は
3歳時:2.64D(範囲:2.40D~2.88D)
16歳時:0.35D(範囲:-0.50~-0.17)

となるだろう。という報告だと思います。

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