110. コントラスト感度検査による弱視の検出は,非侵襲的で簡単な手順であり,弱視の診断をサポートする有望なツールである

Assessment of amblyopic children undergoing occlusion therapy by pattern visual evoked potentials and contrast sensitivity tests

Nada MM, El Gohary AM, Azmy RM, ElSayed YM, Abdelkader B. Eur J Ophthalmol. 2023 Apr 20:11206721231171423. doi: 10.1177/11206721231171423. Epub ahead of print. PMID: 37081780.


背景:弱視は,最適な光学的矯正を行い視覚系に目に見える疾患がない場合でも,片眼または両眼の視力が低下しているケースである。
目的:遮閉療法を開始した弱視児のコントラスト感度検査(contrast sensitivity tests:CST)およびパターン視覚誘発電位(pattern visual evoked potentials:PVEP)の結果を6~12か月の期間で評価すること。
方法:この横断研究は,単眼性弱視の患者50人と年齢と性別をマッチさせた対照者50人の200眼を対象に行われた。患者,対照ともに眼科的評価,PVEP,CSTを実施した。
結果:弱視眼では,非弱視眼および対照眼と比較して,質的PVEPのP100潜時の結果に統計的有意差はなかったが,質的CSTでは,非弱視眼(4%)および対照眼(4%)と比較して,弱視眼の98%に影響があり,高い統計的有意差を示した。定量的CSTの最大コントラストレベルおよび最小コントラストレベルは,弱視眼では非弱視眼および対照眼と比較して有意に低い値であった。弱視眼の平均周波数2.5±0.9Hz,範囲(1.1-4.1)における最大コントラストレベルのカットオフ値は21dB以下,弱視眼の平均周波数13.4±2.6Hz,範囲(6.7-18)における最小コントラストレベルのカットオフ値は12dB以下となった。
結論:CSTによる弱視の検出は,非侵襲的で簡単な手順であり,弱視の診断をサポートする有望なツールであると言える。

※コメント
弱視の診断にこの検査法を使うというのは臨床的には非現実的ですが,治療過程においてこの数値の変化が関連していれば興味深い内容になると思いました。

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